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鱒ノ糸エステルHARD(ハード)/磯野寛之

2024.10.10

皆さんこんにちは。
SUNLINEトラウトフィールドテスターの礒野寛之です。

2024年9月に発売された新製品「鱒ノ糸エステル」。
エリアトラウト用エステルとしては後発のリリースになりますが、それまで長きにわたり多種のサンプルを検証しながら“究極のエステル”を追い求め熟考…。ネーミング・パッケージデザイン含め、ブランディングのお手伝いまでさせていただきました。サンラインの開発チームと地道にコツコツと進められたことで、自信を持ってお勧めできるラインへと仕上がりましたよ。

 

 

鱒ノ糸エステルHARD(ハード)×礒野寛之

ハードならではの有効な出しどころとは

トーナメントシーンはもちろん、様々なエリアトラウトシーンで多用される存在となったエステルライン。

「それはなぜか?」改めてエステルラインについて考えてみましょう。

 

 

〜素材的な特長〜

  • 比重が「1.38」と水馴染みが良い
  • 糸に透明感を持たせられる
  • 伸びが少なく張りがある

 

〜実釣面での特長〜

  • 手元へ来る情報が強く多い(感度が高い)
  • 水中情報のズレを抑えやすい
  • リニアな誘いを入れやすい
  • リニアなフッキングへと繋げやすい・

 

礒野的に総括すると「アングラー側のやりたい事が“直感的”に捉え反映しやすい」ことがエステルとしての最大のアドバンテージかなと思います。

 

もちろんそれが全てではありませんが、エステルによる“把握のしやすさ”のお陰で他素材(ナイロン、フロロ、PE)の活かし方や、リーダーの使い分けに対する意識が強くなったアングラーは多いかと思います。

 

では、鱒ノ糸エステルの話に戻ります。

上記の特長を踏まえて、鱒ノ糸エステルのHARD(ハード)は、その“エステルらしさ”を無駄なく表現する事をコンセプトとしています。

 

 

 

それに対して“敢えて変化を持たせたい”時に役立つよう作ったのがソフトタイプ。

 

 

ソフトについての詳細は、後日またサンラインコラムでご紹介しますね。

 

拘った2つの伸度設定。ハードとソフトの使い分け

魚がフックを咥えて速いタイミングで感知→フッキングしたい場合には、エステルらしく「ハード」が活きてきます。水中情報の把握のしやすさにも一役買ってくれる。また、トップウォーターやマジックジャーク・ボトムなどの入力系の釣りでもハードを多用します。アクション・フッキングでのラグが少なく、狙ったタイミングで力を掛けやすい。

 

その一方で、魚へ反転を強く促し、水の中で良いバイトを選び導き出したい時も出てきます。そんな時はソフトの出番。調整枠として活きてきます。

 

礒野的には、次のような優先順でラインセレクトをしていきます。

 

 

強度面が成り立つ中で、魚のバイトの質(追いスピードや、噛む力、反転の具合など)や誘い方に合わせてラインセレクトに変化を入れていきます。

・エステルラインの良さを活かしつつ変化を加えたいならハードとソフトを使い分け

・さらに微調整を加えたいならリーダーの素材&号数にも変化を

・それでもアジャストし切れない大きな環境差がある場合には、他素材のラインも

 

 

テストをすればする程に感銘を受けた「アドバンテージクリア」

今回の鱒ノ糸エステルに採用したアドバンテージクリアというライン色。それはクリアラインの延長でありながら、私は“あるプラスαの価値”に感銘を受けました。それは「数秒後を直感的に判断しやすい絶妙な視認性」と「クリアラインと違いを感じない程に魚の世界へ馴染む」事が高次元で両立できているから。

 

 

エキスパートな人達は、慣れで精度の高いルアー操作をこなせちゃうもの。それでもやっぱり、視界からくる情報は精度の面で強いアドバンテージになるんです。
例えば「この後ラインが風で押されるから、事前にこう操っておこう」「ラインが風で押されるけど、この絶妙なラインスラッグを作り出すと釣れるんだよな」「こんな感じでドリフトをさせたら、ここで喰うはず…」など。で、鱒ノ糸エステルは常時サイトフィッシングをしているような直感的な感覚でルアーを操り攻略できる。

 

 

見えるからこそ難しい領域へ繊細なアプローチで立ち向かうこともできる。「〜な筈」という気持ちを持ってアプローチするのと、実際に目で捉えてアプローチするのとでは、やはり違います。

 

 

エステルマニアも唸る素材感

エステルラインは号数により評価にムラがあることが多い中で、サンラインのエステル素材はそれが少ない。0.25号のような細い号数も強気に使えるし、0.4号のような太い号数もトラブルを回避しつつ攻めていける。意外とこういった環境は多くないんです。

 

トリプルサージェンスノットをする時も、表面のコーティングのお陰でリーダーを吸い寄せるイメージ。なので2本が綺麗に束になりやすく、結果、素早く丁寧なノットが組みやすくなります。ノットの安定性が高く、各号数に信頼が持てるのは大前提と考えています。

 

 

まだ使ったことの無い方は、一度試しに“クリアラインで無ければいけない”というイメージを捨ててみてください。私がここ数年使っているのは、この不思議なパワーを持つアドバンテージクリアばかりです。

 

 

次回は、鱒ノ糸エステル“ソフト”についてご紹介します!

 

トラウティスト 鱒ノ糸エステル ハード

トラウティスト 鱒ノ糸エステル ソフト