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ネイティブトラウトにおけるナイロンラインの有効性/廣瀬弘幸

2025.3.8

 

こんにちは、サンライントラウトテスターの廣瀬弘幸です。
私はネイティブトラウトの釣りで、ほぼナイロンラインを使用しています。
源流のイワナからサクラマスまで。
一番の理由は、魚をバラしたくないと言う事です。
バラさない為には先ず、魚の口の中、それもカンヌキと言われる所にガッチリとフックを入れる事が大事です。

 

 

チェイスし吸込みながらルアーを咥えた時、ナイロンラインの伸びでルアーは口の中に入り易く魚が反転するとさらにラインが伸び反転してから合わせを入れると、高確率でフックがカンヌキに入ります。
そしてファイト。
ファイトでは、ナイロンラインが伸びる為、クッションとなってフックの伸びや口切れを防ぎます。
ただし、伸びすぎるラインは合わせが効かず、ラインが魚やルアーに巻き付いてラインブレイクを起こしやすくなります。しかし、サンラインの新製品ストリームロマンの適度な伸びは、しっかりアワセが効き、魚やルアーに巻付きづらくバラシを減らします。

トラウティスト ストリームロマン

 

 

またヘッドシェイクやローリングでファイトするトラウトに対し、激しさのあまりロッドが追従できずラインが緩んで魚やルアーに巻いてしまう現象が起こりますが、PEと比べナイロンラインではその伸びによって激しいファイトは緩和されトラブルが減少します。
よくサクラマスがローリングで大暴れしてテトラにラインが擦れて切れたという事を聞きます。

 

 

障害物が多いポイントでは、強引に寄せるのも一つの戦術ですが、大物過ぎて寄せられない、掛かり所が悪く無理出来ない事もあります。
そんな時は、ラインのテンションを弱めてラインの伸びを利用し、張らず緩めずで魚への負荷を弱めて魚を落ち着かせ誘導し、ゆっくり弱らせてキャッチしますが、そんな時もナイロンラインは有利です。

 

 

バラさない為にタックルにも気を使っています。
フックは細軸を使います。
しっかり貫通させる為には細軸のフックが有利です。
しかし、アワセを入れる時やファイト中に伸びる危険性があります。
ところがナイロンだと強すぎるフッキングと強引なファイトさえ気を付ければフックが伸びる事はほぼありません。
ロッドは柔らか目を選びます。
これもラインと同じく柔らかさがバラシを減らします。
柔らかいロッドはアクションが付けられないと言う方も多いですが、私はルアーのアクションをあまりガンガン入れる方では無いので全く問題ありません。
そして、リールのドラグは渓流のアップストリームの際には強めです。
アップストリームだと糸ふけを出して流す事が多いので、ラインにアタリが見えた際にはロッドで一旦合わせて、糸ふけのせいで合わせが効いていないと感じたら糸ふけを巻き取り追いアワセをしっかり入れる感覚です。
逆にサクラマス等本流の大物狙いのダウンストリームではドラグを緩くしています。
しっかりカンヌキに掛ける為に遅アワセ、ドラグがジジジと出てから合わせる感じで、アワセが足りないと思った際にはスプールを押さえて追いアワセします。
ダウンストリームの釣りではいきなりドスンと来るイメージが強いと思われがちですが、ロッドやライン、リールを巻く手に前アタリを感じる事も多く、前アタリを察知できればびっくりアワセで早すぎるアワセやすっぽ抜けが減り、ヒットの瞬間余裕をもって対応出来ますし、前アタリの後で誘いを入れてヒットに持ち込んだりする事が可能です。

 

 

ストリームロマンは初期伸度を抑えてあるので前アタリを手で感じとりやすく、ステルスグレーとオレンジが交互に配色されているので、目でも前アタリを感知することが出来る為有利に釣りが出来ます。
昨シーズン、ストリームロマンを使ってみましたが、ラインが良く見える事、縦横どちらの動きでも見易い事がとても釣果に繋がると強く感じました。
また1m刻みで色が入っている為、長距離から至近距離、シャローからディープまで万能に使えます。
そしてもう一つ、特記する事は今回のストリームロマンは結束強度が強いという事です。
私はいつもユニノットでルアーを結束しています。
一定時間釣りをした後や何匹か魚を釣ると、細糸の場合はルアーとラインを持って結束部分を強度確認のために引っ張って切ってルアーを結び直しています。
それが同じようにストリームロマンでやってみると簡単には切れないのです。
これには驚きました。
強いから結び直さなくて良いのでは無く、不意の大物にも不安なくファイト出来るのです。

 

 

私の住む福井県は今年大雪で、2月解禁とはいえ渓流には暫く入れないですが、その間にしっかり準備して、今年も浪漫を求め渓流釣りを楽しみたいと思います。