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競技でも使える「見える糸」の有効性/中村渉希

2025.5.17

 

先ずは[鱒ノ糸エステル.ハード&ソフト]の特徴や活用法から触れていきます。


鱒ノ糸エステル ハードの特徴…伸びの少なさから成るダイレクトな操作感、魚のバイト(アタリ)を感じ取る事に長けたモデルと言えます。
また、操作時の水切りの良さも特徴となります。特に近年流行りの操作系プラグ(主に浮上系ミノーやメタルバイブ、トップウォーター系)等、リニアな操作を必要とするルアーに必要不可欠なハードエステルと言えます。
また、ハードエステルは硬い事により、キャスト時にスプール放出の際、放出線が膨らみ易い為に飛距離が伸び、飛距離アップに貢献してくれると言えます。

続いて鱒ノ糸エステル ソフトの特徴…ハードモデルに比較し、柔軟性を持たせ、特にスプールへの馴染み、水中への馴染みの良さを持たせたモデルと言えます。
また近年のエステルラインには無い伸び率により、魚がルアーを咥えて違和感を感じ、吐き出してしまう時間をコンマ数秒遅らせる事が出来るので、渋い状況下でのマイクロスプーンやマイクロプラグ、繊細なスプーニングロッドワークを必要とする場面や、小型な鱒のエリアで威力を発揮するモデルです。
また、スプールへの馴染みが良いという事はキャストに置けるライントラブルを極力減らす事へも貢献してくれます。

 

トラウティスト 鱒ノ糸エステル ハード

トラウティスト 鱒ノ糸エステル ソフト

 

続いてトーナメントシーンでの有効性について[鱒ノ糸エステル]は前アジングライン用(鯵ノ糸Night Blue]で採用していた[紫外線発光.ナイトブルー]を改良、見直す事により新たに[紫外線発光.アドバンテージクリア]とリニューアル致しました。
こちらを新たに採用する事により、晴天.曇天.雨天、どの天候下に於いても青白く発光し、ギラツキを抑えている為、アングラーからの視認性に長けています。
また、その視認性はサングラスを掛けた状態でも大きく変わる事がありません。

 

 

特にトーナメントでは紫外線発光により何処へキャストしたか?真っ直ぐにキャスト出来ているか?の確認にもなります。
キャスト後にラインスラッグはどれ位出ているか?等、見える事による情報量が武器となります。
アングラーが見えるという事は魚からも見えるんじゃない?と思われると思いますが、青白い色その色調により魚がプレッシャーを感じず、寧ろ寄ってくると言う結果を出したメーカー様もある程です。
どうしてもラインにカラーが付いていると先入観からプレッシャーを与えてしまっていると思いがちですが、僕のトーナメントシーンからは感じた事はありません。

 

 

個人的な感想にはなりますが、クリアラインよりもキャスト後の水面付近にいる魚は散りづらいと感じています。(ギラつかない為)
また、ラインの入水位置が常に見える事により魚のアタリが出た際、ラインの動きを参考に手元にアタリが伝わるよりも早く合わせの動作を行う事も出来ます。

続いてハード&ソフトの使い分けを説明致します。一概に使い分けと言えど、僕、皆様含め数多くあるロッドからセッティングを出さなければなりません。硬くて張りのあるロッド、フルソリッドの様に全体が曲がりしなやかなロッド、等々であくまでも僕のセッティングをご参考に頂ければ幸いです。

ハードは序盤の説明の通り操作系を得意とするモデルになるで、張りのあるソリッドを採用したロッドやMLクラスのパワーロッドにてハード+フロロリーダーを採用し、テンポ良くシャープなアクションを行えるセッティングを施しています。しかし、ハードモデルはナイロンリーダーとも相性が良く、ミノーの浮力を上げたい時や、魚とのやり取りで伸びが欲しい時などナイロンリーダーをセットするのも一つの手と言えます。ボトム系ルアーなど、常に直線的な感度や目感度を必要とする際はフロロリーダーをセットし、ボトムルアーのキレの良いアクションを行える様にフロロリーダーをセットしています。

ソフトを選択する状況魚のバイトが弱く、直ぐにルアーを吐き出してしまう状況下に於いても、伸びる特性を活かしてバイトの時間を長くする、エステル特有の[硬さ]を和らげた事によりファイトの追従性が良くなっています。
この様にマイクロスプーンを必要とする低活性時や、クランク使用時の反転バイトが少ない時の伸びが欲しい、など繊細な状況下に於いて選択していきます。
オススメは、ULLクラスのロッドにてフロロリーダーをセットし、基本的なセッティングにして頂くと[ソフト]の伸び特性を体感出来ます。

 

 

総合メリット今回の[鱒ノ糸エステル.ハード&ソフト]メリットを纏めると、紫外線発光による視覚的アドバンテージ、ハード&ソフトの棲み分けよるタックル細分化、伸び特性によるファイト時の追従性が主に挙げられます。
最後に注意点となります、エステルラインは必ずしもトラブルレスと言う訳では無い事を頭に入れ、[ヨレ][若干の傷][キンク]には気を付けましょう。僕は34回に1回巻き替える様心がけています。


このコラムでは書き切れない事が沢山あるので
釣り場で僕を見かけた際には是非お声掛け下さい。もっと内容を裂いたお話を出来ればと思っております。