1和桐
松田稔曰く、発泡ウキはFRP船、和桐のウキは木造船。松田ウキが、ポコポコもフラフラもせず、 風や波があってもピタッと安定するのは、木目のそろった和桐を使っているからである。
2極薄うるし塗装
和桐の特性を生かすには、塗装は薄ければ薄いほどいい。松田ウキの塗装には、
キメの細かな工業うるし(カシュー)を使用。
しかも極薄に仕上げるため、塗っては乾かして水ペーパー、
塗っては乾かして水ペーパーを繰り返している。
ヘッドにはカラー塗装、仕上げにはクリア塗装を行うが、
ここでもその都度ペーパー掛けを行うため、塗りの回数だけ実に12回にもおよんでいる(松三郎を除く)。
また松山は、究極の潮なじみを実現するため、つや消しの特殊塗装で仕上げている。
3V字鉛(PAT.3017194)
松田ウキの真骨頂ともいえるのが、この特許V字鉛。棒状の鉛だと、
いくら下部に重心を置いても起きあがりこぼしのようにポコポコと跳ね上がってしまうが、
V字船ならゆりかごのように、底重心をキープしながらサシエに引かれて自然な傾きを表現できる。
抜群の安定感だけでなく、二枚潮、三枚潮の状況でもサシエの方向や有無まで示してくれるのはこのためである。
42段パイプ(PAT.186311)(松次郎・松三郎は除く)
ウキを抑えるシモリ玉を、頭部ではなく底部で受けとめるための低支点特許構造。
これにより、遊動時も重心が落ち着き、わずかのブレも発生させない。
また、魚が引っ張ってもウキにブレがないため違和感なく喰い込み、
ヘラウキのようなきれいなアタリが出やすい。さらに、ウキ止め糸(松田式)をV字型に結ぶことにより、
遊動でありながら固定感覚で操作することも可能。いいかえれば、固定仕掛けとして使用する場合でも、
止め楊子が不要である。
しかもこの場合、糸がウキのセンターを通 るため、
従来の楊子止めよりさらに重心バランスが優れる。糸スベリも抜群で、
深ダナでも仕掛けなじみが非常に早く、ストレートパイプの3倍の早さで「釣れる状態」を作れる。
5残存浮力0
厳格の浮力検査により、表示オモリを掛ければ0号ウキになるよう設定。
松山に至っては、5-5、6-6など、さらに精度の高い浮力設定まで実現している。
(ただし潮の状況は一定でないため、状況によっては微少オモリで調整することをおすすめします)
6ソロバンヘッド
独特のソロバンヘッドは、ウキの傾きを確認するためのカタチ。
例えば、潮が正面 に払い出している場合は、エサが先行してうまく仕掛けが張れていればウキのヘッドは大きく見え、
逆にウキが先行していればウキのヘッドはほとんど見えない仕組みになっている。
このように、常に「釣る状態」を保つために、このヘッドは役立つ。また、松次郎・別作以上に採用している白色のハチマキは、
この視認性をさらにアップさせる。
7SICリング
SICリングは、抜群の糸スベリを実現。それとともにウキ止め糸(松田式)を確実に止めるので、潮流が速い釣り場や、竿1~2本の深いタナでも、固定仕掛けの「張り」や「誘い」が可能。一度抜けると再度なじませるのが困難な状況において、SICリングは確実に釣果 に直結する。