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“感度”について考察する。

2015.12.10

どんな釣りにおいても“感度”という言葉は多用されている用語のひとつ
ではないかと思う。
今回は、そんな“感度”について少し書いてみることにする。

そもそも感度という言葉は様々なジャンルにおいて広く使われており、
ジャンルごとで定義は異なるが「ある対象に与えた刺激とそれに対する応答の関係」 
に関わる指数であるということ・・・

では釣りにおいての“感度”とはいったいどういったものだろうか。
ロッド、リール、ルアー、ウキ、オモリ、鈎etc…などの道具が存在する中でラインメーカー
らしくラインについての感度にフィーチャーしますので悪しからず。

釣りにおいて感度はなくてはならないもの。
例えば、魚からの僅かなアタリを感じる為。
水流変化を感じる為。
地形変化を把握する為。
硬いものなのか柔らかいものなのかを判断する為。
など色々な情報を集める為に必要不可欠なものである。

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では、そんな感度の伝達率はどの素材が高いのか?
現在フィッシングマーケットには大きく分けて4つの素材が定着している。
ひとつはナイロンライン(ポリアミド・モノフィラメント)。
もうひとつはフロロカーボンライン(ポリフッ化ビニリデンモノフィラメント)。
次にポリエステル。
そして、PEライン(ポリエチレンマルチフィラメント)。

この中でアングラーが思う感度が高い順に並べると恐らく・・・
PEラインポリエステル→フロロカーボンライン→ナイロンライン
の順になると思う。
実際にこれは間違っていない。

ならばなぜこの順番になるのか?
それは素材の中に含まれる“結晶量”が関係している。
結晶量が多い素材順に並べると
PEラインポリエステル→フロロカーボンライン→ナイロンラインとなる。

ちなみに結晶化度は
●エステル:約60%
●フロロカーボン:約50%
●ナイロン:約30%

結晶量が多いことで伝わってきた振動を伝える間隔が短くなる。
例を上げると駅伝やリレーなどを思い浮かべて欲しい。
長距離を多い選手で走るのと少ない人数で走るのとでは
襷やバトンなどが渡される間隔に差が出てしまう。
それがラインの分子レベルで行われている。

結晶量が多いことで、硬く、振動の減衰が小さいので感度が良くなる。
ということは、アタリをとることに糸の伸び率(伸度)は関係ないということ
である。(※アクションやフッキングパワーの伝達などはまた別の問題)

また、素材には“ガラス転移点”という分子の活動が起る。
ここで結晶化度の話しに戻るが%だけを見るとエステルとフロロカーボンは
10%の差でしかない。
しかし、釣りをしている上で明らかな感度の差が出る。
それはなぜか???

そこに関係するのが“ガラス転移点”である。
結晶部は動かないが、非結晶部は決まった温度によって動き出す。
その動き出す温度の事を“ガラス転移点”という。
■ガラス転移点
ナイロン:約40℃
フロロカーボン:約-30℃
エステル:約80℃

ということからわかるようにフロロカーボンは常に非結晶部が動き回って
いる状態である。
非結晶部が動くことで、振動の伝わりを阻害する。
よって感度の伝達が悪くなってしまう。

なのでフロロカーボンはエステルよりも感度が劣ってしまう。
ナイロンも素材自体が吸水してしまうという特性から、分子間に水分が
入り込んでしまう為、時間が経つにつれて感度が落ちてしまうのはこの為。
(※サンラインナイロンはその吸水を可能な限りシャットダウンするP-Ion加工
などを代表する加工やHMW(高分子量ナイロン)などの使用した新たな製法
を取り入れデメリットの改善に努めている。)

まとめるとこういったことになる。
それぞれがもつ特性を理解して頂ければ、新たにあなたの釣りが進化する
のは間違いない。

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