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【冬バス攻略】ディープエリア攻略のメソッド/高橋洋一
2022.11.4
皆さんこんにちは。
サンラインバステスターの高橋洋一です。
ターンオーバーも落ち着き水の色が澄んできましたね。水質が落ち着いてきたあたりからバスは晩秋・初冬を意識し始めます。そして水温も15℃に近くなってくるとサーモクラインやボトム付近を動き回っていたバス達は一部の個体を除いて水温・水質が安定したディープへ移動してゆく準備を進めます。すべての個体がシーズナルパターンで動く訳ではありませんが、「王道」を知れば大きく外すことも、釣りに迷うことも少なくなります。今回のコラムではディープエリアへの移動ルートとメソッド、タックルセッティングについて解説していこうと思います。
【ディープエリアへの移動ルートを捉える】
まずはこれを知らないと始まらないシーズナルパターンです。バス達がどのようにディープエリアへ移動をしてゆくのかを解説したいと思います。
キーワードは“点”から“線”、“線”から“面”です。晩夏では立木や杭、垂直岩盤などの縦ストラクチャーにサスペンド(点)していましたが、フォールターンオーバーを経て表層と下層の水が入れ替わることにより浮いていた魚がボトム側へ移動します。
このタイミングではディープエリアではなくブレイクから上、または付近のミドルレンジにスクールを形成してクルーズしている状態です。
このスクールを形成してクルーズしているバス達はブレイクエッジなどのシャローやミドルレンジ付近の角を泳ぎ岬やシャローからチョークされたニアディープの出入り口(具体的には等深線が密で細くなって尖っている地形)へ向かいます(線)。その尖っている地形部分から水温が安定するディープエリアへ移動することで冬を越します。
これが大まかなシーズナルパターンの動きです。当然のことながらシャローへ残る個体や湧き水エリアで越冬する個体、沖を悠々と泳ぎ回る個体など多種多様なのですが、あくまでも「ルアーで釣りやすい個体・パターン化して捕らえ易い個体」の動きを説明しているのがシーズナルパターンと言われるものです。
【釣りやすい個体が多いディープエリアの見分け方】
このように説明すると「どのような傾向でディープへ向かうのはわかったがどのように自分のホームフィールドへ落とし込んでいったら良いのか?」と思う方が多いのではないでしょうか?
実は答えは簡単です。春にS級のスポーニングエリアだったシャローからブレイクエッジを辿ってゆき「等深線が密で細くなって尖っている地形」を探した先にディープフラットが見えてくるはずです。そこが釣れるディープエリアとして最も可能性が高いのです。
多少の語弊はありますがブラックバスはスポーニングに始まり、スポーニングに終わるといっても過言ではないと考えています。要するに“春の上り口は冬の出口”ということです。
ある程度冬を経験している方々のディープエリアを釣るイメージは「ダウンショットリグで柔らかいロッドを使い細いラインでずる引きやドラッキング」なのではないでしょうか。
確かに代謝の落ちた(代謝を落とした)バスは半冬眠状態となっていることも多いため、捕食時間も短く、それでいて散らばってボトムに張り付いているイメージが強いと思います。
それこそ前述した“面”のままディープエリアの釣りをしてしまうとボトム付近にルアーを通してバスをサーチしていくことになります。これではとても非効率です。ではどのように釣っていったら良いのでしょうか。
まず最初に必要なことはバスを探すことではありません。バスが通るであろうルートとバスが越冬しやすいであろうスポットを見つけて“釣るべき場所・スポット”を見つけることです。ディープに落ちるまでのプロセスをディープエリアで行うことで釣るべき場所・スポットを見つけることができます。
釣るべき場所・スポットを見つけるプロセスは“面”から“線”、“線”から“点”にしてゆくことが重要です。この作業には魚群探知機や重めのナス型シンカー、ヘビーバイブレーションなどご自身が手持ちのサーチツールを使用します。
魚群探知機の方は「ボートからハードマテリアルや湧き水などを探せばいい」ですし、陸っぱりの方は「ナス型シンカーやヘビキャロ、ヘビーバイブレーションを遠投して扇状に投げてはボトムを引いてくる」を繰り返すことで地形とボトムマテリアルが見えてきます。
そうやって見つけた越冬スポットまたは冬にバスが回遊するルートを見つけたらそこにいるバスを釣る作業に入ります。このような作業を行うことで一日中闇雲にダウンショットを投げ続ける冬の釣りから解放されるだけでなく、泥底に埋まった弱った個体を釣るのでもなく、健康的な泳ぎ回る個体と出会えるので結果的にはビッグフィッシュの可能性が高まります。“釣るための計算もしくは狙って釣る“それこそが冬のディープを釣る醍醐味です。
【ディープ攻略に欠かせないタックルセッティング】
バスフィッシングではフロロカーボンラインを推奨する傾向が強いと思いますが冬はあえてPE+フロロハリスを使用しています。
理由は2つあるのですが1つ目の理由がPEラインは直強力に優れ同直強力のフロロカーボンに比べて線径を細くできるというものです。深い水深を釣る冬のディープエリアにおいては水の抵抗が少なく着底まで最速で送り込めることは大きなメリットとなります。
2つ目の理由ですが、これは釣る上で最も重要なことでフロロカーボンに比べ沈降速度(比重)が0.97(水面に漂うレベル)と低いことです。この比重の低さがダウンショットリグのワームをバスの口元付近で常に浮かすことができる事や、メタルバイブを遠投した先でリフト&フォールの釣りをする際もメタルバイブがほぼ真上にしゃくり上げられることに繋がります。
また、バーチカルにメタルジグをシャクル際のレスポンスや伸び率の低さから得られる掛かりの良さがメリットだと感じ10年以上前から私はPEライン+フロロハリスに落ち着いています。
現在使用しているラインは【ソルティメイトPEエギULT HS8】の0.3号~0.6号に【Newトルネード Vハード】の1.25号~2号。
https://fishing.sunline.co.jp/line/279/
https://fishing.sunline.co.jp/line/23841/
【ソルティメイトPEエギULT HS8】を選択する理由はストラクチャーや立木などにコンタクトした際に糸滑りが良く、ルアー抜けが抜群であることです。また、【ソルティメイトPEエギULT HS4】に比べるとブレイドが密なのでスプール内が凍りにくいように感じています。
前述したラインの沈降速度(比重)を生かせない釣りもあるので、その場合はフロロカーボンラインを選択します。
例えばボトムからルアーを浮かせたくない場合、スイムジグやジグヘッドリグをリトリーブする場合、ボトストなどで動かし続けるメソッドはPEラインに比べ多少の伸縮性をもつフロロカーボンラインがバイトを弾きにくく、バレにくいのでベストチョイスです。
また、ヘビーキャロライナリグやフットボールジグはロングキャストが必要な場面が多く、風や流れに影響されやすいPEラインよりも沈降速度(比重)が1.78と高いフロロカーボンラインが扱いやすいため、そちらを使用しています。
実際に私が使用しているラインは【シューター FCスナイパーBMS AZAYAKA】の10ポンド~14ポンドです。
https://fishing.sunline.co.jp/line/316/
ちょっとしたライフハックですが、凍結する厳冬時期は【POWER UP LINE COAT Speed Dry】をラインとロッドガイドへ使用すると凍結を軽減することができるので参考にされてみて下さい。
https://fishing.sunline.co.jp/goods/22275/
PEラインを扱う上で欠かせないのがPEラインとリーダーのノット問題です。バスアングラー方々は中にはPEラインのノットについて不慣れな方も多いと思いますが、個人的には「トリプルサージェンス」や「クインテッドノット」で十分だと考えています。FGノットでも、電車結びでも、ファイヤーノットでも自身で覚えやすいノットで結束して頂ければ問題ありません。(FGノットじゃないとといけないような声を聞くことが多いのですがバスフィッシングにおいては気にしなくても大丈夫です。)ノットの結び方が分からない方は、サンラインノットライブラリーをご活用ください
https://fishing.sunline.co.jp/knot/
【ディープの釣りは効率こそがすべて】
ここまでご紹介した『【冬バス攻略】ディープエリアの攻略メソッド』。冬は1年を通して比較すると釣り難くなりますが、偶発的な効果が少ない分アングラーとしてのリテラシーが最も試される季節と言っても過言ではないでしょう。
短い日照時間の中でバスが捕食する時合いを捉える精度、越冬スポットと冬場の回遊ルートなどを自分の経験を元に分析し、ロジックとして組み立てていく必要があります。
とはいえ前述した内容を理解し、魚の動きさえ捉えてしまえばさほど難しい釣りではありません。
「効率を上げて狙い撃ちする」という意識を高め、一日の釣行プランをロジカルに組み立てることでキャッチ率やビッグバスと出会う可能性は必然的に上がるかと思います。その過程こそが冬バス攻略の醍醐味でもあるのです。
今回の記事含め、ご自身の体験や情報を今一度整理してシーズナルパターンをベースとした冬のロジカルフィッシングを楽しんでみてください。