- トラウト
水面へ導くエリアトラウト最先端メソッド 【トップウォーターのすゝめ】
2023.5.26
皆さんこんにちは、トラウトフィールドテスターの礒野寛之です。
水面でルアーを操り魚を誘う…そして水面を切り裂く迫力満点なバイトシーン!それはトップウォーターフィッシングならではの醍醐味。
でも、中々そう簡単には出ないよねぇ…。
でもでも、エリアトラウトなら気軽に体験できるんです!
という事で今回は、トップウォータールアーを用いた水面の釣りのあれこれ…そして応用編として、水面下のフォロー的釣り方までお伝えできたらと思います。
【水面って実は釣りやすい!】
水面での釣りは実は釣りやすいんです。それはなぜか…?こんな理由が考えられます。
・魚にとって水面はエサを追い詰めるための”壁”となってくれるから
・水中から見える空(景色)は、風や光量などによる視覚的変化も大きく、魚の気が緩むタイミングも生まれやすいから
・ルアーの出す引き波によって、物体の存在をより曖昧に表現できるから
・虫やペレットなど、上から落ちてくるものに興味を示す魚であるから
・水中で餌を追う時は、各方面から魚が集まり食べ損ねることもある。水面なら捕食対象に勢い良く向かえばそこへ到達しやすいから
・反応のある時とない時の見極めが目視で判断しやすく、良いタイミングにはめ込みやすいから
他にも理由は色々ありますが、ざっくりとこんなところでしょうか。
【トップウォーターはいつ投げる?】
エリアトラウトでトップウォータールアーを使うのは、暖かい季節だけではありません。年中釣れる釣りなんです。
とはいえ当然、トラウトが水面に向かいたくなるような要素が必要となります。そして、それにアングラー側がいち早く気付く事が大切です。
では、どんな時にトップウォータールアーを投げてみると良いのでしょうか?
イメージトレーニングしてみましょう!
【難易度☆(長い時間)】
・表層に魚がたくさん見える時
・水深の浅いポイントがあり、そこに魚がウロウロしている時
・水面にもじり系の波紋が見える時(まっすぐ真上にジャンプする魚は、何かに驚いて水深のあるところから上がってくる場合が多いので注意)
・枯れ葉や桜の花びら、雪などが水面に落ちている時
・小さな虫が水面付近で飛んでいる時
・釣り場が人工餌(ペレット)を定期的に撒くタイミング、または撒くであろうタイミング
【難易度☆☆(ちょっとした短い時間)】
・雲に隠れていた太陽が出てきて、日が当たり始めた時、逆に太陽が雲で隠れた時
・風が吹き始めた直後、逆に止んだ直後
・暖かくなったなと肌で感じた直後
・魚の動きを見て、水面へ泳いでくれそうな身体の動きや目の動きをしていた時
最初のうちは、周りの人がトップウォータールアーらしきものでたくさん釣っていたら、マネしてみるところからで大丈夫です!
難易度☆での要素はわかりやすいものが並んでいますが、難易度☆☆では”変化”を捉える事が重要となってきます。
プラスαの釣果に結びつけるためには、これらの要素をより多く見つけ出すことが大切です。
人間も魚にとって環境の急な変化はそっちに気を取られ”気の緩み”となりやすいです。そんな時にルアーが落ちてきたら…パクっ!っとそんな瞬間を探すイメージです。
これは?と思う状況に出くわしたら、まずは試しに投げてみてください!人間のやる気と一緒で、魚もずっとルアーを追うことに集中できる訳では有りません。
例えそこで反応しなくても「今日、トップウォーターは釣れない日だな」という判断もまだ早いかもしれません。
また、反応が無いことも大切な情報です。反応が無ければ、水面より下の水深を一つ一つ探ってあげれば良いので少しずつ答えへと近づいていくはずです。
【ラインセレクトは?】
私の場合、トップウォーターの釣りをする時にはPEラインとエステルラインを使い分けます。
共通点は”伸びが少ない”ラインである事。イメージ通りにルアーへアクションを与えやすく、フッキングもアングラー側が狙うタイミングで行いやすいのが大きなメリットです。
水面の釣りにはPEラインがメインラインと考えています。エリアトラウトは魚からどんどんルアーに寄ってきて釣りやすく、魚のアベレージサイズが大きい釣り場などではラインに対する安心感をより持たせたい時には重要性が増しますが、何より”アクションの多様性”が活きるので多用しています。
それに対してエステルラインは、ラインプレッシャーを極力避けて一匹一匹を丁寧に絞り出したい時、風が強い時、足場がやけに高い所などエステルで色々使えるようにしたタックルであれば、そのまま使う事も多いです。
ちなみにサンラインから新しくリリースされたライン 【オールマイト】は、比重が1.48の高比重PEラインです。
https://fishing.sunline.co.jp/line/28013/
他のラインの比重に比べるとエステル(比重1.38)とフロロカーボン(比重1.78)の間に位置します。風が強い中でもラインメンディングがしやすく水馴染みも良いので、最近の強風続きの釣りで気に入って使っているラインです。ネイティブトラウトだけでなくエリアトラウトでも使っています。
また、ナイロンラインもトップウォーターの釣りには有効な場面が有ります。機敏な動かし方はやりづらくなりますが、ある程度のアクションなら意外といけるものです。ナイロンは、伸びる=使いづらいというイメージを持っている方もいらっしゃると思いますが、それはある程度力を加えて伸ばした時の話です。
初期の伸びは想像以上に少なく、バイトの時にしっかり反転を促せた魚はより深くフッキングできるだけでなくキャッチ率を高める事に貢献してくれることでしょう。
なので、「トップウォーターはPEやエステルじゃないとダメなの?」という心配は不要なので、まずは普段使っているラインで気軽に始めてみましょう。
【トップウォータープラグの使い分け】
状況に応じたカラーチョイスも大事ですが、まずはクリアー色を選んでみましょう。
リップが付いたタイプのトップウォータープラグは、エリアトラウトでの定番中の定番です。その一つにパペット・サーフェス(スミス)というルアーがあります。これは私が自信を持ってオススメできるイチオシです。
引っ張るとリップに水を受けて水面を掻き回すように大きく動きますが、その力を利用して魚に興味を持たせます。ロッド(+リーリング)で引っ張って動かすもよし、竿先でチョンチョンと動かしルアーを踊らせるも良し、いずれにしても大切なのが”止めの間”を入れてあげる事。動かしている間と止めている間だと、圧倒的に止めている間にバイトが集中します。なのでアクションの時に追わせ、止めた時に追い付かせ喰わせる、というイメージを持つことが大切です。
それはまるで”ダルマさんが転んだ”のようなイメージ。魚が寄ってくる時はルアーを止めて、プイッと後ろを向いたらまた動かしてという感じです。アクションにメリハリが効かず、何となくやってしまうと魚にバレてしまうのもそれと一緒です。
他にもこのようなルアータイプが人気です。
★ポッパータイプ
小刻みな動きで細かく誘えるものもあれば、「ピシャッ!」と細かい水飛沫をあげるのが得意なもの、「ボコん!」と強い水泡を発生させるのが得意なものなど沢山あります。
リップ付きルアーのように引っ張るだけで掻き回すような力は有りませんが、その代わりにルアーの口(カップ)で水を掴み誘いを演出します。一箇所でより強くアピールさせやすく、動くのが億劫な魚や、遠くにいる魚にしっかり気づかせてあげることが出来ます。また、遠投が効きやすいルアーが多いのも、このタイプの特長です。
★虫やペレットを模したもの
なにかを模している、というイメージがある場合は特にですが、ルアーの飛行ルートや着水音に拘ってキャストしてあげるのも効果的です。着水直後のバイトはとても多いですから、魚の興味に対して臨機応変に合わせてあげる事が釣果を伸ばす上では大切です。
★リトリーブで誘い続けることが得意な水面用クランクベイト
ロッドアクションで動かすタイプのルアーに比べると瞬間的なスイッチの入れ方(メリハリ)は苦手となりますが、ただ巻くだけで魚を引っ張ってきてくれてその再現性も高いです。その為、活性が高いものの目視での判断が難しいナイターゲームでは絶大な効果を発揮しやすい釣りです。
それぞれのルアーにしっかりと得意分野が有るので、魚の反応や飛距離、フッキングのしやすさなどを考えながら使い分けてみるのも面白いですよ!
【〜応用編〜慣れてきたら、水面下へのフォローも意識してみよう!】
さて話は変わりますが、水面まで出きらないでも表層で魚は反応している、そんな状況に直面した事のある方も多いのではないでしょうか。
そんな時にオススメな、水面まで出切らない魚を狙うフォロー的メソッドをご紹介します。
- 表層クランキング(難易度☆)
クランクベイトの横に引っ張る動きで普通に反応してくれれば、再現性が高く楽に釣りが展開できます。最初から表層を狙えるSR(シャローランナー)タイプなどがわかりやすくて良いと思います。
実はリップの長いMR(ミディアムランナー)〜DR(ディープランナー)タイプのクランクを竿を立てながらゆ〜っくり引いてくるのも効果的。リップに当たる水の抵抗が大きいので想像以上に表層をゆっくりと、そしてハイアピールで誘うことができるんです。
- マジックジャーク(難易度☆☆)
横方向でなく、上下方向の動きに対して高反応なシチュエーションも多々あります。トップで浮き切らない、でもその動きに反応する魚はいる。そんな時に効果を発揮しやすいのがミノーを用いた釣りです。浮力の強いミノーであれば動かすテンポを早める事もできるので、やる気のある魚をより焦らしバイトへと導く事も可能です。
- マイクロスプーン(難易度☆☆☆)
アンダー1g、特に0.4〜0.6gのウエイトを多用して”水面ギリギリ”をトレースする釣りです。ルアーのアクション(ピッチ)・スピード感・水深・コース・ルアーのスイム姿勢・カラーなど僅かな違いでも大きな差として現れます。
水面ギリギリのトレースが一番魚を誘う力を持っていますが、スプーンのヘッドを水面へ割らせるバジングテクニックも効果的。
また、ロッドのグリップを人差し指でトントンと叩きながらスプーンを引けば、水面でハッチする虫のようなイメージでスプーンを演出する事もできます。
【他の釣りにも役立つ!】
水面の釣りはご存知の通り、ルアーの動きと魚の反応を目視しながら行う事ができます。
目視の情報が無くなる水面下の釣りでも、サイトフィッシングの延長となる想像力が大切となってきます。
そのためには色々なシチュエーションを目で見て感じる事が大切。水面の釣りはそれを体験しやすい最高な機会なんです。
もしトップウォータープラグをお持ちでない方がいらっしゃれば、ぜひ1つだけで良いのでBOXに忍ばせておいてみてください!
楽しい釣りにきっと出会えると思います!