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【手軽に楽しめる一つテンヤについて解説/石毛卓】

2022.10.28

 

皆さんこんにちは!船テスターの石毛です。

 

古いことわざの「海老で鯛を釣る」は皆さんもよくご存知だと思います。小さなエビをエサに大物の鯛を釣ることに例えて「小さな投資や労力で大きな利益を得る事」という意味ですが、このことわざにピッタリの釣りが「一つテンヤ」です。

日本各地にある真鯛釣りの中でも「一つテンヤ釣法」は、体長10cm未満のエビを餌に、年齢・性別問わず扱いやすい軽量なロッド・リールに、主にPEライン0.6号~1号、リーダーは2号~3号前後の細いラインを使用します。そんなライトタックルで10kg近い真鯛と対決することもあり、スリル満点、ダイナミックな釣りを楽しむことができます。

タックル・エサ・釣果が合致する、まさに「海老で鯛を釣る」を実現できるのが一つテンヤ釣法ではないでしょうか!?

 

一つテンヤは一昔前までは「型の春、数の秋」と言われていましたが、一つテンヤ船を営む船宿の船長さん達の切磋琢磨と、日々のポイント開拓のおかげで、今では1年を通して大鯛狙い・数釣りが楽しめるようになりました。

今回は晩秋~初冬にかけての私のオススメするタックルとラインセッティングを紹介したいと思います。

 

【ライン(PEライン・リーダー)の使い分け】

私が考える一つテンヤのラインの中で最も重要視しているのが、PEラインとリーダー(フロロカーボン)を結んだときの全体の「伸度率」の違いです。

主に使用しているPEジガーULTシリーズの伸度は8本組が約3.4%、4本組が約3.2%で8本組と4本組で違いがあります。わずかな違いかもしれませんが、ラインが長く出るとこのわずかな違いもどんどん影響が大きくなってきます。

そしてリーダーはサンライン製品中、最も硬質なフロロカーボンのパワーストリームと、同じくフロロカーボンながら適度なしなやかさのNew Vハードを使い分けます。

リーダーは耐摩耗性に優れていることも重要ですが、伸びについても最大限考慮したセッティングにしている訳です。

 

PEライン伸度×リーダー伸度の特性は、水深・潮流に応じて以下のように使い分けます。

 

水深40m未満 PEジガーULT8本組+New Vハード

https://fishing.sunline.co.jp/line/268/

https://fishing.sunline.co.jp/line/23841/

 

真鯛の引き込みは浅場程、青物の様な横走りが強い事からドッカンバイトになる為、ライン全体でクッション性を重視したセッティングにします。

 

水深40m以上 PEジガーULT4本組+パワーストリーム

https://fishing.sunline.co.jp/line/269/

 

https://fishing.sunline.co.jp/line/59/

 

深場は潮流が込み合うことが多く、浅場に比べラインのフケが出やすいので、より低伸度の4本組PEラインに硬質のリーダーを組み合わせます。伸びの少ないセッティングにすることで真鯛のアタリを感じやすくし、しっかりとアワセが決まるようにします。

 

PEラインとリーダー(フロロライン)の号数バランスは基本的には下記の通りです。

 

PEライン0.6号 フロロライン 2号・2.25号・2.5

PEライン0.8号 フロロライン 2.5号・2.75号・3

PEライン 1号  フロロライン 3号・3.5

 

なぜ上記の様なラインバランスをとるのか!?

ラインの中で魚に一番近いラインがリーダー部分になります。リーダー部分は擦れや取込などで一番負担が掛かる部分ではありますが、必要以上にリーダーを太くしすぎてPEラインとのバランスが取れていないと、根掛かりや大物とのやり取り時に高確率でPEラインが高切れしてしまいます。ラインブレイク後にラインシステムを組み直す時間のロスはアングラーとして大きなマイナスとなってしまいます。

真鯛の時合は短いこともしばしばで、時合を逃さないようにしたいですね。

パワーストリームとVハードには痒いところに手が届く「2.25号」「2.75号」といった号数があります。直線強力と耐摩耗性とのバランスの微調整にも重宝します。

 

また私はラインブレイクによって海中に残してしまうゴミを少しでも減らす為にも、バランスのとれたラインシステムをしっかり作り、またラインには傷が入っていないかなどこまめにチェックしています。

小さなゴミかも知れませんが、釣り場を後世に残していくことにもつながるラインセッティングを目指しています。

 

日本でも各地に方言が存在するように、一つテンヤ釣法もその地域に精通した船長・アングラーが培ってきたご当地釣法・タックルセッティングがあると思います。

釣り方やセッティングのこれが王道!などという事は、私には言えませんが、釣具を使うにあたっては各アイテムのストロングポイントを理解することで、本来の性能を発揮させることができると思っています。

 

私を含めて皆様、釣りをしている時に何となく自信が無かったり、迷いがある時はバラシに繋がっていませんか!?

どんな大物であろうが自信のあるタックルのときは「これは捕れる!」と、皆さんも大物をゲットしているはずです。

サンライン製品はここ数年だけでも日々の努力の結果、目覚ましい進化を遂げています。まずはラインセッティングを見直し、自信に満ちたストロングスタイルを築き大物をゲットして貰えればありがたいです。

【タックルデータ】

ロッド :レジットデザイン SKUAD一つテンヤモデル255 シャロー/ディープ

リール :レバーブレーキ付きスピニングリール

ライン :サンライン PEジガーULT 0.6号~1

     ※水深40m未満8本組 40m以上は4本組を使用

リーダー:サンライン New Vハード又はパワーストリームの2号~3.5

テンヤ :3(11.25)15(56.25g) 

     ※水深・潮流に応じて使用号数を設定