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【都市部の黒鯛釣り】

2024.5.30

皆さん こんにちは!ちぬテスターの古後義和です。今回は【都市部の黒鯛釣り】というテーマで解説をしていこうと思います。

 

【都市部エリアの特徴を踏まえた落とし込みの魅力】

 

 

初夏から秋口に掛けて、黒鯛師の心を魅了してやまない魚。その名は堤防のカリスマ。【黒鯛】

いぶし銀に鈍く光る鎧を身にまとい、頑丈な顎で硬い貝など簡単に噛み砕く。

45CMを超えれば幅の広い尾びれが独特な重いトルクをつくり出し、3Mにも満たないへチ竿を思いきり絞り込む。

そんな黒鯛に恋焦がれ堤防に通い続ける方も多い事でしょう。間違いなく私もその中の一人ですw

さて。前置きが長くなりました。記述しましたように、初夏(6月)から秋口(10月)がトップシーズンのこの黒鯛釣りですが、近年では温暖化の影響もありオールシーズン狙えるターゲットとなり、私がホームにしている東京湾では冬場でも条件が合えば良い釣りが出来るようになりました。

6~7年前からでしょうか。黒鯛の数が猛烈に増え、トップシーズンにもなればビギナーの方でもツヌケ(10枚)も夢ではなくなり、沖提防に渡らなくても海沿いの公園や河川などで十分に黒鯛が釣れるようになったので、若い黒鯛師も増えて来ているようです。

東京や横浜の湾奥では、水深も浅く様々な形状のポイントがあり、4~5Mから10Mと水深のある沖提防とはまた違ったローカルパターンも存在し、ビギナーからベテランまで。最近では女性のアングラーも増えて、楽しめる新しいフィールドが都会の魅力あるスポットになっています。大都会の身近なポイントで釣れるのも黒鯛の大きな魅力の一つですね。

 

 

【5月前後のチヌについて(習性や食性など)】

 

 

私がホームにしている東京湾では、早いところでは2月の頭には乗っ込みの第一陣が入って来ます。3月の後半には湾奥まで魚が回り、4月には気温と共に水温の上昇もあり、あちこちで釣果が聞こえるようになります。

5月に入れば夏日のような日が続き、照り込んでくれると東京湾の潮が茶色く濁り始めます。しかし、産卵を終えた魚はここで一服状態になりあまり釣れなくなる傾向にあり、釣れても痩せたあまり引かない魚になります。

このタイミングでツブ(イガイ)の稚貝が堤防の際に着き始めます。この頃はまだ黒ゴマのように小さく、中々採取するのは難しいですが、採取出来れば団子(塊り)での使用となります。

因みにツブ(イガイ)が一枚貝で使えるようになるのは梅雨に入る5月の後半。早いところだと半ば位から使えます。

このエサを喰うようになると、いよいよトップシーズンの始まりです。タナも一ヒロから、二ヒロとなり、浅いタナでバンバン釣れるようになります。

 

 

【捕食タナの傾向】

 

 

黒鯛落とし込み釣りの醍醐味と言えば、浅いタナでのアタリを捉えバシバシ掛ける。

ラインが引き込んだり、跳ねたり、止まったり、沖に走ったりと様々なラインの動きが楽しめるのが浅ダナの釣りです。

基本ベースとして、魚が浅いタナまで浮くのは5月のゴールデンウイーク後の梅雨入り前後から10月半ば位まで。

11月に入ると水温低下で深いタナか底まで沈んでしまいます。風や天候など黒鯛にとって良い状況であれば、浅いタナまで浮いて来てエサを捕食するときもありますが、そんなドキドキと胸が高鳴るようなことは稀で、基本はやはり底の釣りとなります。

この底の釣りは4月の終わりまで続き、初夏となる5月は浮いたり、沈んだりを繰り返していよいよ盛期の梅雨を迎えます。

 

 

【想定される状況とその対策】

 

 

釣りをしていて気がつくことがありますよね。さっきまで澄んでいたのに、濁りが入って来た。その逆もあります。濁っていたのに澄んでしまう。効いていた潮が止まってしまったり、川のように流れるぶっ飛ぶ潮に変わったり。二枚潮や当て潮など、皆さん経験されたことがあるかと思います。

このような状況下では経験という引き出しが多いベテランの方が、一枚の黒鯛を手にするということがよくあります。

では、どのような対策をすれば良いのでしょう。その辺りをお話ししたいと思います。

まず潮が澄んでしまったとき(澄み潮の時)、黒鯛の活性は低下し底の方へ沈むか、堤防から少し離れ沖の底へ移動します。

こういった場面では、まず地底を丁寧に探ります。しかし、ここで注意したいのがタナにも魚が居るということです。目視できないだけで、堤防の際にピタっと張り付いている場合もあるので、私は普段のタナ釣りの落し方で、全層を探りながらエサを地底までリリースします。

また、堤防の際底に魚の気配がない場合は、沖に離れている可能性がありますので、竿一本、二本、三本先位の沖目にエサを打ちます。このとき、水深がある場所ではオモリを1~2サイズ上げても良いでしょう。

この地底の釣りで重要なのが底取りです。底取りとはエサが着底したときに道糸がたるむ。これを毎投確認しなければなりません。

底取りができたら、エサを持ち上げ魚が喰っているか確認します。これを【聞く】と言います。着底後即聞く場合と、数秒待ってから聞く場合と、潮の流れを利用しエサを聞きながら転がす場合があります。

いずれも聞いた時に魚が乗っている感触、または違和感があれば即合わせます。

これが基本となる澄み潮の底釣りです。

次に潮が止まってしまった場合。場所によってはマッタリとした状況下でも喰って来ますが、基本潮が動かないのはあまり良くはありません。

このようなときは風が当たるポイント、少しでも潮が動く場所、堤防のケーソンとケーソンの隙間など何か変化があるポイントを探すのが良いでしょう。

また潮が堤防から離れている場合も良くあるので、沖目に打って潮が動いているポイントを探るのも良いです。

逆に川のような激流になることもあります。

普段の軽い仕掛けだと狙うタナまでエサを入れることが出来ず、水面近くを滑るように流れてしまうので、重いガン玉を打って対処します。場合によってはガン玉を連打するのも良いです。

自分の狙っているタナまでエサをリリース出来ればOKですが、まだ早いようならもう一つガン玉を打って流してみてください。釣りがしやすくなればOKです。

 

二枚潮や当て潮。中々厄介な潮です。まず二枚潮。上の潮だけ動いて、下の潮が止まっていたり、上の潮と逆に動いたりします。大体上の潮だけ動いている場面が多いです。

浅いタナで釣れているときは、下の潮まで落とさなくても良いので問題ないのですが。深いタナや底の釣りのときは非常に釣り辛く、場合によっては全く釣りにならないこともあります。

当て潮。この潮は沖から堤防に正面から強く当たる潮で、堤防に当たって払い出した潮がエサを沖に持って行ってしまい、エサを際にキープできなくなる現象です。

 

この二つの厄介な潮をどう攻略すれば良いのか。私は重いガン玉を打って対策しています。潮の強さにもよりますが、4B~6Bを針の直ぐ上、ハリスに打ちます。

そして落とし方ですが、真っすぐ道糸をピンピンに張った状態でゆっくりと落としていきます。このときに道糸がふけたりすると潮にかまれてしまい、真っすぐ落ちなくなりますので、道糸がピンピンに張れるだけの重いガン玉と、ゆっくりと真っすぐ落とすのがポイントです。

またこういった状況下では道糸はフロロがおススメです。私は普段から【黒鯛ISM落とし込み 野武士】を使っていますが、フロロは高比重の素材ですので、こういった状況下に適したラインです。また細い号数を使うと更に潮の抵抗を受け難いのでかなり有効です。

つまりラインをオモリの一つと考え、そこに更にオモリを足していくというイメージです。

フロロの有効性については、以前ブログで紹介しているので、宜しければこちらをご覧ください。

http://blog.livedoor.jp/sunlinefishing/archives/1070809380.html

 

 

【都市部エリア向けのタックル】

 

 

前述しましたように、ここ6~7年前から黒鯛の数が増え、海沿いの公園や河川などで気軽に黒鯛が釣れるようになり、若い黒鯛アングラーも増えています。

そういったフィールドでは、沖提とは違いトイレが近くに完備されていたり、飲み物の自販機が設置されていたりと、軽装備で釣りに行ける時代になりました。

電車や自転車で釣行する方も多いようで、仕舞の短い(5本~6本継ぎや振りだし)竿を愛用するアングラーが増えています。

 

 

沖提では特に東京湾の堤防は垂直ケーソンが殆どなので、私は2.4m~2.7mまでの竿を使っています。調子は魚を掛けた時に胴に乗るタイプです。

リールは親指で弾いてサミングして落とす場合は、さほどリールの回転性能は必要ではなく、そこそこ回ってくれればOKです。

しかし、リールをフリーの状態でエサとオモリの自重で落とす場合は、リールの回転性能は重要です。購入の際はその辺りを良く吟味してみると良いですね。

 

黒鯛ISM 落とし込み

黒鯛ISM 落とし込みMARK-WIN

 

道糸は好みですがナイロンが一番扱い易いかと思います。伸びもあり、ある程度張りもあるので特にビギナーの方にはおススメです。

ナイロンは色が付けやすく、バリエーションが豊富にあるので、自分に合う色を選べるのもナイロンの良いところです。

私もこの釣りを始めた頃はナイロンを使用していましたが、あるきっかけでフロロを使うようになり、もうかれこれ20年位フロロを愛用しています。使い始めの頃は黒鯛落とし込み用のラインは無く、鮎釣り用の天上糸を使っていました。

当時のフロロは視認性が今よりも低く、張りも強かったので硬いイメージがありましたが、

軽い仕掛けでエサを自然な落下で落とすことに拘っていたので、ときにオモリを打たないノーシンカーでやっていた時期もありました。

前述しましたように、フロロは高比重なのでラインをオモリの一つと考え、ナイロンでは難しい釣りもフロロではいとも簡単にやってのけることもあるのです。

 

 

黒鯛ISM 落とし込み 野武士

今では【黒鯛ISM落とし込み 野武士】という、黒鯛落とし込み専用のフロロラインがあるので釣りが本当にし易いです。

この野武士というライン。サンライン独自の製法により、ナイロンのようなしなやかさと伸びという強さを合わせ持ちました。

 

 

更に難しいとされるフロロへの染色もクリアし、マットな鮮やかなオレンジに仕上げ、高視認性を実現しました。

以前、野武士についてブログにて紹介しているので、宜しければこちらをご覧ください。

 

http://blog.livedoor.jp/sunlinefishing/archives/1074177432.html

 

トルネード松田スペシャル ブラックストリーム

次にハリスに関してですが。私がメインで使っているのが【トルネード松田スペシャルBLACK STREAM】の1号。冬から春にかけての澄み潮もこのカモフラージュカラーのハリスに随分助けられました。また冬の厳寒期などは底の釣りがメインとなり、潮の流れに乗せてエサを転がすことも良くあります。そのときに何かに触れたり、擦れたりとハリスにダメージを与えてしまうような場面も、このハリスはささくれ立った状態になっても魚を水面まで浮かせてくれるのです。サンラインの新テクノロジー【プラズマライズ】により、ハリスの表面をゴムのような状態に変えた、擦れに強いこのBLACK STREAMは私にとって信頼できるハリスです。

また、BLACK STREAMのようにカモフラージュカラーでアタリが無いとき。クリアなハリスに替えると喰ってきたりします。このとき使うのは【スーパートルネード】です。

私にとってこのハリスはオールラウンダー的な存在で、調子も柔らかい方なので使いやすいです。

ハリスの使い分けについて、以前にブログで紹介しているので、宜しければこちらをご覧ください。

 

http://blog.livedoor.jp/sunlinefishing/archives/1070990120.html

 

最後にエサのお話を。最近では生のエサは使わず、ルアーやワーム、イガイやフジツボを模した疑似エサでの釣りをする若いアングラーも多いようです。

私は疑似エサを使わず生のエサを採取して使っています。その年その年で堤防に着くのが早かったり、遅かったりしますが、一年を通してエサの移り変わりはこのような感じになります。

1月~3月 : グリーン(ミドリイガイ) ボサ蟹、アオサ海苔

4月~5月 : パイプ虫

6月~7月 : ツブ(イガイ) 

8月~12月 : フジツボ、タンク蟹、サクラ貝、グリーン

大体このような感じでエサが変わっていきます。こう見るとグリーンを使う期間が長いですね。元々グリーンは秋の定番エサだったのですが、近年はシーズンの半分以上使えるエサになりました。またグリーンは口を開きやすいので、エアーポンプか海水に浸けるなどして活かした方が良いでしょう。

 

以上が私の考える【都市部の黒鯛釣り】です。

このコラムが掲載される頃はいよいよトップシーズンに入り、みなさん浅いタナでバンバン黒鯛を釣られているかと思います。

今回のコラムが少しでもお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。では、みなさん良いフィッシングライフを!♪