- チヌ
チニングに新たな提案!ゆーごの“チヌスト”ゲーム徹底解説!!
2024.6.24
みなさん、こんにちは!サンラインスタッフの「ゆーご」こと國廣勇吾です!!
今回は「チニングに新たな提案!ゆーごのチヌストゲーム徹底解説!!」と言うタイトルで僕が4年程前から実践し、大変可能性を感じているチニング必釣テクニックを徹底解説していきたいと思います!
…。「え、?」「チニングにチヌスト?」「チヌストってそもそも何?」と疑問を持たれたそこのあなた!
大丈夫です!このコラムで全て解説しますので是非最後までご覧ください!!
【「チヌスト」ご存じですか?】
「チヌスト」とはチニングシーンにて「ミドスト」と呼ばれるテクニックを用いた釣りの事を指します。
そもそも、「ミドスト」とは「ミッドストローリング」の略でバス釣りではポピュラーなテクニックの一つです。
「ジグヘッド+ワーム」を組み合わせて使用することが多く、ロッドのシェイクによるラインスラック(ラインのテンションが緩んだ状態)を利用して、ワームをふわふわとローリングさせます。
ジグヘッドの重さやシェイクのスピードを加減することで幅広い層を容易にサーチすることができるためバスフィッシング界ではトーナメントシーンをはじめ近年最も見直され、流行しているテクニックの一つといっても過言でありません。
そう、元々バス釣りのテクニックなんです!(笑)
そんなバス釣りのテクニックをなぜチニングに持ち込んだのか?
それを話す前に僕が思う「チニングで最も大事なこと」についてお話させていただきます。
【チニングで最も大事なこと】
僕がチニングで最も大事だと思うのは「チヌとの間合い」です。
元々チヌをサイトフィッシングで釣ることが好きな僕ですが、チヌを見ながら釣りをしていると様々な事をチヌが教えてくれます。
例えば、チヌが狙いを定めた対象物(ルアー・エサ)への距離の詰め方、追い込み方。
間合いの取り方と言った表現が正しいでしょうか。
これは距離の詰め方だけでなく避け方にも言えることとなります。
チヌの嫌がるトレースコースやラインの置き方、アクション…などなど。
自分のアプローチに対してチヌがどのような反応を見せるか?を観察することでチヌを釣るためのヒント多く得ることができます。
これは僕が積み上げてきた経験・釣果からも言えることですが、チヌはアングラーやライン、その他のプレッシャーとなる要素を限りなく0にした状態において、目の前に置かれたルアー・エサには必ずと言っていいほど口を使ってしまう魚です。
つまり「好き」に寄せなくても「嫌」と思われる要素を排除していくことが最も釣果を伸ばす上で大事なこととなります。
「チヌとの間合い」とこの考え方がチニングにおいて僕が最も大事にしていることです。
【なぜチヌストがチヌに効くのか】
続いて僕が思う「チニングで最も大事なこと」と「チヌスト」にどのような関係があるのか、そしてチヌストがなぜチヌに効果的なのかをお話しします。
チヌストは限りなく食わせに特化させたどちらかと言うとアピールの弱いアプローチです。
アピールが弱いということは対象魚に与えてしまうプレッシャーも弱いという事。
この要素が「嫌と思われる要素を排除し、間合いを詰める」ことが最も重要と考える僕のチニングにおける考え方と完璧にマッチするわけです。
確かにアピール力がないことは魚を寄せることができないという点に直結します。
だからこその「サイトフィッシング」、見えるチヌだけを狙うことでアピール不足という部分はデメリットではなくなります。
むしろ見えるチヌに対しては極力プレッシャーをかけたくないということを考えると「チヌスト×サイトフィッシング」は互いの弱点を補いつつ長所を生かせる最強の組み合わせとも言えるでしょう。
年々チニングが盛り上がっているのは確かですが、その釣り方を見るとトップウォーターゲームやボトムゲームの情報が大半です。
中層をフワフワと泳いでいるチヌの攻略についてはほとんど情報がないと思います。
そんなニュートラルなチヌにも口を使わせることが可能なチヌストはミドルレンジ攻略の新たな一手です。
【見えチヌに対してのアプローチ方法】
「サイトでチヌストを使うのは分かったけど、見えるチヌなんてキャストしただけで逃げてしまう…」そんな方もいらっしゃるかと思います。
この反応はいかにもチヌらしく、バスとの大きな違いかもしれませんね。
先ほどお話しさせていただいた「チニングで最も大事なこと」の話の中で「チヌに対してアングラーやライン、その他プレッシャー要素を限りなく0にした状態を作ることが重要」と言う表現をしました。
これは『チヌを探すところから魚との駆け引きは始まっていますよ!』と言う事です。
つまり「いきなり水辺に立つ」「見えているチヌに対してルアーをすぐにキャストする」といった行為はその時点でチヌにプレッシャーを与える行為であり、釣果に悪影響を及ぼします。
まずは、アングラーのプレッシャーを消す為に水辺から少し離れて遠い目線でチヌを探しましょう。
仮に近い目線でチヌを見つけたとして、その近距離でアングラーのプレッシャーを消す事は容易ではありません。
近距離アプローチが通用するシチュエーションは「水が濁っている時」「捕食行動中でベイトに意識が向いている時」と限定的です。
まとめると「チヌを見つけられるギリギリまで離れた距離からチヌを探し、正確なキャストができる距離まで見つけたチヌにプレッシャーをかけないように慎重に近づいてからアプローチする。」これが基本の動きとなります。
そして、チヌを見つけてからルアーをアプローチする前に僕が意識・観察していることは次の2つ
1.チヌの行動
→動いているのか、止まっているのか/ベイトを追いかけているのか(スイッチが入っているのか)、ニュートラルなのか/頭の向きと目線…等々
2.環境や天候
→水の流れ、風の有無や向き/使えるストラクチャーの有無(ゴロタ岩、橋脚等)/水の色、濁り具合/光量(晴れ・曇り・雨・朝・昼・夕)…等々
これらの要素を判断材料にチヌが逃げない(プレッシャーを与えない)アプローチを組み立てていきます。
そろそろ「で、結局チヌを見つけたらどこに投げればいいの?」というツッコミが来そうですが、結論として状況やシチュエーションは勿論、チヌの個体差もあるので説明しきれません…というのが結論です。(笑)
ただ!!どのシチュエーションにも共通して有効なアプローチ方法はあるのでそれを説明します!
それは…、チヌに向かってキャストしてはいけません!!
「見えているチヌがいるのにそれに向かってキャストしちゃダメ…?それじゃー、釣れないじゃん!!」また変な事言い出したわ…、と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが本当です。
厳密には「チヌに向かって直接キャストしない」つまり、トレースコース内でチヌ自身にルアーを見つけてもらいコンタクトさせるイメージです。
例を挙げると、流れがあるエリアはチヌのアップストリームの方向にキャスト。
ラインの存在には非常に敏感なのでライン先行ではなくルアー先行で流していけるポジショニングを意識。
あたかも流れてきたベイトを演出しながらストラクチャーを絡めバイトを誘発させます。
ストラクチャーを利用する理由ですが、食べやすいベイトを忠実に再現する為です。
以前テーリングしているチヌに生きたカニを投げたことがあります。その際カニは身を隠せられる岩に隠れ、チヌはその岩の周りをぐるぐると周り捕食のチャンスを伺っていました。
ベイトフィッシュの場合も同様です。岩や海藻に隠れることもあれば壁際や水面、ボトムに追い込まれ逃げ場を失い捕食されてしまいます。
いかに捕食されやすいベイトを演出するか、そのためにストラクチャーは必要不可欠なのです。
対して流れのないエリアはチヌから若干逸らしたポイントにチヌを跨ぐようキャストしますが、これだけでは糸の存在に警戒して逃げてしまうことが多いのでトレースコースに壁やストラクチャーも絡め、ある程度スピード感のあるアクションで糸の存在に気付く前に先にスイッチを入れさせることがポイントです。
これを意識してキャストしてもチヌが逃げてしまう場合はルアーの着水ポイントをしっかりチヌから離してください。
リグに気付かず逃げない分には再度アプローチすればいいので問題ありません。
慣れてきたらチヌの近くにキャストして無駄なくアプローチすることも可能になります。
【見えチヌ以外にミドストを使う場合のポイント】
ここまでは「見えるチヌに対してチヌストは最強のアプローチだよ」という話をしてきましたが見えないチヌに対しては効果的でないのか?と言われればそんなことはありません。
それなりにチニングの経験値があれば「ここは絶対にチヌが居る!」と確信がある場所があると思います。
例えば「濁りの入ったインレット」「橋脚周り」「バース(船の係留場)の中」などチヌが居る確信が持てる場所にはミドストも積極的に試してもらいたいです。
ちなみにボイルなんかは一撃だと思います(笑)
【対応力の高さもミドストの魅力】
ここまで説明したような状況・シチュエーション以外での対応力の高さもチヌストの魅力です。
「こういった使い方もあるよ!」という少し応用的なアプローチもご紹介します。
先ほど紹介したアプローチの他に、明らかにベイトを意識して上を向いたチヌにトップ的に使うアプローチ方法です。
キャスト後ロッドティップを上げ、リーリングスピードを速めていくとリグが水面から飛び出すため、リグが水面から出たり入ったりするパニックアクションでチヌにスイッチを入れることが出来ます。
チェイスしてきたらリーリングスピードに緩急を付けてバイトに持ち込むのですが、ここの駆け引きがたまらなく楽しいです(笑)
稚鮎やハク、イワシがベイトの時はこのアプローチが効果的なのでぜひ試してみてください。
(ベイトになる稚鮎)
また、ペンシルベイトやポッパーと違いルアーが水の中にある状態でバイトに持ち込めるのでフッキング率が良いです。
トップウォータープラグに出た後のフォローとしてチヌストを使うのもオススメです。
あとはチヌスト(ミドスト)と言うのはアプローチ方法の一つであって、使うルアーはただのジグヘッドリグなので当然同じタックルでボトムのチヌも狙えます。
ボトムをリフト&フォールさせたりズル引いたり、ボトムでテーリングしているチヌが見えたらサイトの要領で狙ってみて下さい。
【「チヌスト」のタックルセッティング】
ここからは「チヌスト」のタックルセッティングについて解説していきます。
チヌストは0.9g~1.8gのジグヘッドに2.5インチ前後のワームを組み合わせるのが基本的なセッティングとなります。
このセッティングであればオープンエリアは勿論、バース内にもスキッピングしやすく、ストラクチャーに対してタイトにアプローチすることが可能となります。
仮にスタック(根掛かり)してもリグの総重量が軽く、アクションスピードがそもそも速くないので回収不可能なほどのスタックはほとんど発生しません。
万が一スタックした際は巻くのを止め、そのままチヌストのロッド操作でほぐして取ってあげましょう。
僕がチヌストで使用するタックルは以下の2タックルです。
【タックル①】
Rod: シュレムクロスS752L(ZENITH)
Reel: ITX CB Plus 2500HA(OKUMA)
Line: オールマイト 0.6号(11lb)(SUNLINE)
PEエギULT HS8 0.6号(SUNLINE)
Leader: ブラックストリームorトルネードVハード 2~2.5号(SUNLINE)
Rig: レンジローラー 1.3~1.8g(OWNER)
Lure:イージーシャイナー3インチ(KEITECH)
【タックル②】
Rod: シュレムクロスS712UL(ZENITH)
Reel: ITX CB Plus 2000HA(OKUMA)
Line: オールマイト 0.4号(11lb)(SUNLINE)
PEエギULT HS8 0.4号(SUNLINE)
Leader: ブラックストリームorトルネードVハード 1.5~1.75号(SUNLINE)
Rig: Magic Head 0.9~1.8g(DECOY)
Lure:イージーシャイナー 2~3インチ(KEITECH)
タックルデータだけを記載しても分かりにくいと思いますので、各タックルについて解説していきます。
ちなみにタックル①はスタンダードなセッティング、タックル②はフィネス寄りなセッティングで基本的にはタックル①をメインタックルにミドストチニングをしています。
まずはロッドから説明していきます。
僕はゼニスのシュレムクロスS752LとS712ULの2本を状況に応じて使い分けています。
メインはS752Lを使用しています。繊細さの中にもパワーがあり、年なしのチヌや不意な大物にも難なく対応可能です。
対してS712ULはラインプレシャーに敏感なシチュエーションや軽量なリグでフィネスなアプローチが求められる時に使用しています。しなやかなティップで吸い込みの弱いバイトもしっかり乗せS752L同様パワーを持たせたバットで良型とも戦えます。クリアウォーターで水面が鏡のようなシチュエーションはどう頑張ってもラインの存在を消せない時があります。そんな時はシンプルに糸を細くしていきます。安直な考えかもしれませんが効果覿面なのでフィネスタックルも視野に入れるといいかと思います。
次に、リールはオクマのITX CB Plusを使用。シュレムクロスS752Lには2500番、シュレムクロスS712ULには2000番とタックルのパワーや巻きたい糸に応じて番手を使い分けています。
ロッドを選ばれる際は次の事に気を付けて選んで頂ければと思います。
①7.5ft前後
②軽量
③固すぎないティップ
④パワーのあるバット
ライトゲームロッドや短いエギングロッドなど、お手持ちのタックルでも代用できるので気軽にチャレンジすることが出来ます!
ソルティメイト PEエギULT HS8
オールマイト
次にメインラインですが「PEエギULT HS8」と「オールマイト」を使用しています。
使い分けですがキーは【風】です。どのようなアプローチをしたいかで使い分けています。
基本的にはPEエギULT HS8をメインに使用しています。ツルツルの触り心地で最高の滑り性を備えています。糸鳴りが少ないのも釣りをしていて大変気持ちがいいです。そして風が吹いた時、オールマイトの選択肢が出てきます。簡潔にまとめると高比重PE(比重1.48)でラインコントロールがし易いから。これに尽きるんですが逆に風を利用したいシチュエーションもあります。
例を挙げると、流れが効いていて風が流れと同じ向きに吹いている時と流れも風も無い時。これは正直どちらの糸でも対応できます。ですが流れと逆方向に風が吹いている時は流れに沿ってできるだけナチュラルにドリフトさせたいので糸ふけがより出にくい「オールマイト」を使用します。また、流れが無くて風がある時はよっぽどの爆風でない限り風を利用してリグをドリフトさせたいので「PEエギULT HS8」を使用します。
状況や自分のしたいアプローチによってラインをチョイスして頂ければと思います。
リーダーは安心と信頼の「ブラックストリーム」と「トルネードVハード」を使用しています。どちらもハリス用ラインですが僕はルアーゲームにも好んで使用しています。
トルネード松田スペシャル ブラックストリーム
使い分けですがメインはブラックストリームを使用しています。直線強力、結束強力、耐摩耗性、しなやかさ、どこをとってもバランスの取れた最強ハリス(リーダー)です。特にPEラインとの摩擦系ノットと相性が抜群に良いところが一番好んで使う理由です。これは、サンライン独自のプラズマ加工によって糸の表面がゴムのような質感であることが作用しています。ノットを組む際PEラインとリーダーの間に強い表面摩擦が生じ高いノット強力を得ることが可能です。実際ブラックストリームを使うときは他のリーダーを使うときと比べFGノットの編み込む回数を減らしています。ノット部は少しでも小さいほうがガイド抜けが良くなりトラブルを避けられますからね。
トルネードVハード
対してVハードは主にストラクチャーを絡めた釣りで使用しています。こちらもプラズマ加工が施してあるのですが、Vハードはラインの表面をガラスのように硬質化させてある為擦れを弾いてくれます。根ズレに強いリーダーでストラクチャー周りも積極的に攻めてみましょう。
次にジグヘッドはカルティバの「レンジローラー」とデコイの「マジックヘッド」を使用しています。
「レンジローラー」はそれなりに軸が太くて年なしのチヌやゲストのシーバスとファイトしても全く問題ありません。
フックキーパーがしっかり仕事をしてくれます。ヘッドの重心が上にあるのでヘッドの倒れこみを利用して容易にリグをロールさせることが出来ます。このジグヘッドは【タックル①】で使用します。このジグヘッドをしっかりフッキングさせるためには最低でもメインのPEは0.4号以上欲しいところです。0.3号ではフックのフトコロまで刺さっておらず(刺せるほどドラグがかけられない)フックアウトする傾向がありました。新品のラインやこまめにラインチェックされる方なら大丈夫かもしれませんがこのジグヘッドを使用する際は安牌を取って0.6号をメインでチョイスしています。
糸の強力に合わせたジグヘッド(フック)選びですが【タックル②】で使用しているラインはPE0.4号とかなり細いです。糸が細くなるということは掛けられるドラグが弱くなるという事。つまりジグヘッドのフック線径が太いと中々フッキングしてくれません。そのような理由から【タックル②】では線径が細くて刺さりが良い「マジックヘッド」を使用しています。
フックキーパーもコンパクトでマイクロワームのシルエットを崩しません。
ワームはケイテックのイージーシャイナーの3インチと2インチを使用しています。
ベイトサイズやシチュエーションに応じて2つのサイズを使い分けています。
低速域でもアクションしてくれるテールがチヌストのスローなアプローチとマッチし、
チヌに限らず様々な魚を魅了する魚種限定解除ワームです。
【最後に】
かなり長くなってしまいましたが今回は「チヌスト」について僕の考えを書かせていただきました。
面白い釣りであることは勿論ですが、状況・シチュエーションによっては他の追随を許さないほどの釣果に繋がる釣りでもあるのでテクニックの一つとして覚えておいて損はないですよ!
まだまだ皆さんが「えッ!?」と驚くようなアプローチが沢山あるので、今後も定期的に紹介させていただければと思います。
チヌは釣り人の想像次第で色んなアプローチで狙える身近なターゲットなのでみなさんも是非狙ってみてください!そしてその時にはミドストの準備もお忘れなく!
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。