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謎と神秘のベールに包まれたアカメを手にするには…

2016.1.15

太平洋を流れる黒潮の影響で、温暖な気候に恵まれている高知県。
四国山地に源を発する清流が多く流れており、多種多様の生物の命を
育んでいる。
そんな豊かで、時に厳しい環境の中で生きる怪魚がいる。
『赤目(アカメ)』だ。

そして、そのアカメに魅せられ、アカメを追い続けるアングラーが高知県に居る。
サンライン・ソルトアドバイザー北添 貴行氏である。
今回は、北添氏からアカメを釣る為に必要な「考え」について書いて頂いた。
是非、読んで頂きたい。

明けましておめでとうございます。
高知県は浦戸湾をメインにシーバス・アカメを狙い続けてるサンラインソルトアドバイザーの
「北添貴行」です。
今回、SUNLINE OFFICIALBLOGで僕なりの「アカメ攻略」について書かせていただきます。

1:生態
まずアカメという魚ですが、「イトウ」、「ビワコオオナマズ」に続く「日本三大怪魚」と呼ばれ、スズキ目・アカメ科に分類される魚の一種。黒潮に面した西日本の太平洋岸だけに分布し、河口などの汽水域によく侵入する大型の肉食魚です。
そしてアカメは絶滅危惧種に指定されてますが、高知県は地元の釣り人の地道な努力のすえ、
情報不足~普通種に指定され現在は狙って釣りしてもよいとされました。

今や全国から夢を求めてアングラーが高知に訪れます。
一番の魅力は身近なポイントに20㎏から30㎏にもなるアカメがショアから釣れる事です。 
都市型河川から外洋のサーフ、磯場などシーバスと行動範囲が一緒でシーバスの居る所ならアカメも居る事になります。

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2:行動・地合い
そんなアカメ「夏の魚」とイメージありますが、実は1年中狙って釣れます。
1年を通してハイシーズンと言われるのが大体二回あり、一つは梅雨終わりから初夏。
そしてもう一つが秋から冬となります。


ただどこでも、いつでも釣れるという訳でもなく、一瞬のタイミングとなる「地合い」がずれれば一晩でも二晩でも当たりもないまま終わってしまう事が多々あり、いつ訪れるか分からない「地合い」に備えて常に集中力を高めて釣りしないと出会う確率はぐっと下がります。

その「地合い」が起こりやすい前兆が実はあります。
例えばベイトの有無や天候による水温の変動(夏はいきなりの夕立などの雨による水温の変動、
塩分濃度の変動)、そして潮の流れのタイミングなどこれらが総合して初めてアカメからのコンタクト率が上がると考えています。

3:タックル
そんなアカメ、アングラーそれぞれ狙うスタイルがバラバラで・・・
●ショアジギングロッドなどのストロングスタイル。
●雷魚ロッドやビックベイト用のベイトタックルスタイル。
●シーバスロッドでのスタイル。
など人それぞれで、僕は主にシーバスロッドで橋脚周りから河口部の干潟でのオープンエリアで狙っています。

何故シーバスロッドかというと使用するルアーが主にシーバス用なため、なるべくそのルアー本来のアクションを損なわないことを前提にしています。
ポイントによれば飛距離を稼ぎたいときもあり、サイズを問わないシーバス用のミノーやバイブレーション、ビックベイトなどをストレスなく投げたいのがあります。
あとは体力的な面で夕方から朝まで一晩投げ続ける事があるので、そんな時こそシーバスロッドなら集中力も途切れにくく投げ切れるのが一番のメリットでもあります。

主に僕が使用するタックルセッティングです。
ロッドはMH~Hのシーバスロッドでも強めのパワーを備えたもの。
リールは3000~4000番台、巻き取るパワーも大事ですが少しでも多くラインを巻けれるラインキャパも考えてます。

メインラインはPE2~2.5号(PE JIGGER ULT8本組やCAST AWAY PE等)を200メートル、最近のルアーは60~70メートル軽く飛ぶのでその先で掛けた時大型になれば50~100メートル出される事があるので少しで多く巻きます。

リーダーはフロロカーボンライン40~80ポンドを使用。
太いリーダを使用するとルアーの種類によってはアクションしずらいの事がありますがアカメの体は鎧のように固く、当たるだけでラインが弱る事があるのと、歯がすり鉢状になっていてこれに当たるとたちまち傷つけられる事があります。

フックは主に使用するのがカルティバST46~58。がまかつSPMH~H。
フックサイズはルアーに合わせるか1~2番上げます。 (フックに関してはやはり曲げられず獲るのが理想ですが、どうしようもないシチュエーションもあるのでその時のため切られてルアーを残すより、フックが曲がってでもバラす方が魚の後の負担の事を考えても良いのではと思っています)

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結束は溶接リングとスプリットリングは絶対で10㎏~15㎏になってもムーンサルトのようにジャンプするアカメ。この時スナップだとねじ切られる事があります。

4:ルアー
ルアーは主にシーバス用のルアーで
10㎝~15㎝のミノー
10㎝前後のシンキングペンシル
7㎝~9㎝のバイブレーション
15㎝~20㎝のビックベイトなどを主に使用しています。
カラーに拘りはないですが、昔からボラやコノシロ、パール系は定番色となっています。


5:攻略
シーバスと同じポイントにいるアカメですが、河川の橋脚周り・河口の干潟・港湾のシャローエリア、
外洋のサーフ・磯場、そんな場所でシーバスと一緒の釣り方で釣れるアカメと釣れないアカメがいます。
やる気満々なアカメほどイナっ子やコノシロを追い回して捕食します。
それはシーバスと一緒の釣り方で釣れます。

それ以外のアカメはこの巨体なので動きもシーバスより遅い個体も居るので、体力を消費してまで追い掛けるより楽に捕食をしたい・・と僕はそんな考えなんですが、そんなアカメほど魚より甲殻類を好んで捕食しています。
実際釣れたあとカニのハサミやエビを吐き出す事がよくあります。

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(アカメが好んで捕食するノコギリガザミ)

そんな考えからレンジを細かく刻むより、表層・中層・ボトムと簡単に分けてそのレンジをローテーションで探ります。
狙うポイントも主にシャローエリアが多く水深もないため、このレンジ設定もベイトも表層にいるかボトムにいる甲殻類かで判断しています。

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6:ファイト~ランディング
アカメはこの巨体ゆえ想像を絶するトルク溢れるファイトをします。  

青物ほどのスピードはないもののその暴力的なファイトは非常に賢くストラクチャーを抜くように走られるときもあります。
橋脚などのストラクチャーにもし巻かれた時は一度テンションを抜いて出てくるのを待つのも一つの手かと思い、僕は実践しています。テンションを抜く事によりもしそれでフックアウトしたらそれはそれで良かったと僕は考え、次に繋げて行こうと考えてます。

そしてランディングなんですが、手前にきてから特に暴れます。
この時ウェーディング中なら気をつける事は股の間を走られる事、ストラクチャーかと思い股の間を抜いていくアカメもいます。これには気をつけてください。

また、ランディングツールは僕はタモで主に掬います。
グリップだど唇が厚いアカメは掴めない事もあるのと近くで暴れるので危ないということもあります。

7:最後に
アカメの居る場所は近くに民家も多く、田舎ってこともあり年配の方も多く夜遅くなると寝ている方が大勢居ます。
これから釣るぞとワクワクで釣友と話したい事もあるかと思います。
もし釣れた時興奮して叫びたいのも分かります。
その時は我慢してまた昼間にでも感動を釣友と分かち合ってください! 
そして駐車に関して、ハイシーズンになると駐車スペースに停めれないほどになります。
できれば乗合いで台数を減らすなどお願いします。
そして車中泊暑いので冷房掛けて寝たいのもわかりますが夜中のエンジン音はかなり響くので場所を変えるか温泉施設などに移動をお願いします。

僕もアカメを狙いだして年数は短いですが多くの仲間ができて、数え切れないほどの感動を見てきました。
いつまでもこの環境を守っていきたいと思います。

2016年も多くの方と釣り場でお会いするかと思います、それが楽しみでワクワクしています。

                                   サンラインソルトアドバイザー 北添貴行

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