- シーバス
テクニカルな磯平鱸(ヒラスズキ)のキャッチ率を上げる為の挑戦
2017.12.28
2年程前からテストを行なっているラインがある。
何度かこのBLOGやSNSなどで発信しているので、興味を持って見てくれている方は知っているだろう。そう、あの荒れた磯で銀色に輝く魚体で多くのアングラーを魅了しているターゲット『平鱸(ヒラスズキ)』の為のライン。
現在の主流はもちろんPEラインだが、テストを続けているのはナイロンラインである。
そのプロトタイプを使ったテスト釣行の様子をサンラインソルトテスター・武田栄氏が報告してくれたので、是非チェックして欲しい。
寒波の続く2017年12月某日、例年シーズンに通う和歌山県への釣行。
北西風が吹きつけるいわゆる「冬の磯ヒラ釣行」。寒波の3日め、風速は10mを超え波高は1.7mで大岩の入るゴロタ場での釣り。幸い雨後から数日経っていたので沿岸部の濁りは少なく潮色は良い感じ。
日が昇り早速準備を済ませエントリー。波はピッチが速く続けざまに来る波と時折入る大きなセットを確認しながらポジションをとり思うタイミングで信頼のシャローミノー(ヒラフィードGP128)をキャストしながらその日の様子を見る。強い向かい風ではあるものの比重のあるナイロンライン独特の軌道で優しくアプローチしていると早い段階でここぞと思う場所とタイミングから早速のバイト。
通常PEラインでの釣りならならここで掛かるか掛からないかはテクニックというよりは運も大きく左右されることも多いがナイロンラインの最大の特徴でもある「伸び」はこの釣りではとても良い仕事をしてくれる。素材からの伸びる特性とわずかながらのラインスラック(たるみ)のお陰でバイトを目で確認した後はわずかにタイミングを遅めてからの巻きアワセ、確実に掛かったことを確認して追いアワセを入れると白泡のサラシからしっかりとミノーを咥えたヒラスズキが飛び出した。
手に伝わる魚の感触と水面で目視した様子から65cmクラスと推定。
このサイズなら多少の突っ込みはあるもののしっかりとロッドを立てリールを巻くと寄せには問題はない。案の定波の合間を縫って素早く足もとまで寄せてこれたのでハンドギャフでランディング。
まぶしいほどのシルバーボディーにデップリと脂の乗ったいかにも冬のヒラスズキという一尾。
磯のヒラスズキの釣りは様々なスタイルがある。タックル(ロッド選び)や装備面の差、使用するルアーの特性など百戦錬磨のヒラスズキ師には「それぞれのスタイル」がある。
僕は自身の好みと探求心から、11フィートクラスの今ではスタンダードなものから13フィート(春・秋には16.5フィート)、そして自身の真骨頂でもある11フィートのベイトタックルと季節や状況に合わせて多様なスタイルで楽しんでいる。使うルアーはほぼトップウォータープラグや水面直下型のミノーが中心。
そして糸選びは最重要。僕のヒラスズキのセッティングはスピニングタックルには2号クラス(ベイトは6号)、そしてナイロンラインは16ポンド(4号)が標準。リーダーは30-35lb(ベイトの場合は40-50lb)とオーバースペックというよりは「安心」の設定。
(現在のプロトタイプのカラー。これからまだカラーについてはさらに試す必要がある)
こと磯で掛かる貴重なヒラスズキには、投げ切れ・高切れ・アワセ切れなど釣り人が原因で起こりうるトラブルは絶対に避けたいことが理由。PEかナイロンか?についてはそれぞれの長所短所はもちろん、各自がイメージし実践している「釣り方の違い」が大きいが、ナイロンラインの「掛かった魚はバレにくい」とう事実とメリットはこの釣りにおいては非常に重要。
(以前の釣行にて。カラーはレッド)
タックルはもちろん、ハリへの負担も少ないことも大きなメリット。
これからも実釣を通してさらに使いやすい工夫とアイデアを、そしてサンライン技術陣の更なる開発・挑戦に期待している。