- トラウト
エリアベイトの魅力とタックルセッティングについて
2023.2.3
皆さんこんにちは!トラウトフィールドテスターの礒野寛之です。
エリアトラウトをベイトタックルで攻略する、通称”エリアベイト”
今回は、エリアベイトならではの魅力を中心に皆さまへお伝えできたらと思います!
《エリアベイトの魅力とは? 〜近年のタックル進化による影響〜》
まず、エリアトラウトでベイトタックルを使うことについて考えてみます。
近年のリール進化は凄まじく、ベイトフィネス機もどんどんと変貌を遂げています。
今まではスプールやベアリングなどのカスタムが必須であったところが、純正リールでも十分に軽量ルアーが投げられるようになりました。これはエリアベイト的にも大革命です!
そこで、こんな良さも際立ってきました。
①キャストが正確で且つ手返し良くキャストアプローチしやすい(その分、リズムを掴んだ時の連発は快適)
②強風時のキャストでは、必要以上にラインが押し出されないので安定したキャストがしやすい
③クラッチのON/OFFができることにより、ラインテンションを必要な分だけ送り込みやすい(アプローチ時とファイト時において)
④太いライン・リーダーを使っても繊細なアプローチがしやすい(小口径ガイドを搭載した軽量ロッドも使える。真っ直ぐガイドを抜けていき、糸よれを気にしなくて済む)
でも、私にはそれ以上の理由があると思うんです。それは…「これまで狙い続けていた魚に対して、別の釣り味が気軽に楽しめる“特別感”」「身近な釣り場で、ベイトの釣りにしっかり慣れることができるので他の釣りでも役立つ」
この2つに尽きますね!!
ベイトタックルでの釣りに対してハードルが高いと感じている場合も多いようですが、エリアトラウトであれば一匹逃しても「次があるさ」。そんな精神で再トライしやすいですから、色々試行錯誤しながら楽しめるのでオススメです!
《オススメの釣り方》
エリアベイトにチャレンジしてみたい方へ、まず最初にオススメしているルアーがあります。
それは、ちょっと大きめのクランクベイト(画像はスミス社のシボクラ)。
ルアーウエイト的には2.5g〜4g辺りのものが中心となりますが、「ブルブル」と引き抵抗が伝わりやすいものがまずは良いでしょう。
クランクベイトには、ベイトタックルの感覚をいち早く掴むための三拍子が揃っています。
「(重さがあるから)投げやすい」
↓
「(ブルブルと引き抵抗が伝わるから)引きやすい」
↓
「(ルアーアクションの強さに比例して深いバイトが出やすいから、オートマチックに)掛けやすい」
一定の速度で巻くことが基本となるので、まずは「ブルブル」と明確な引き抵抗が手元に伝わり始めるスピード感を捉えて、伝わるギリギリ…もしくはそれよりもう一段階遅く巻いてみてください。
この「ブルブル」と手元へ伝わる情報によって、様々な釣法へ活かすことができます。
例えば…ロッドやリーリングを使ってのストップ&ゴー(ダイブ&フロート)。
また、ベイトはラインテンションを掛けながらラインを徐々に送り込む事ができます。巻いている最中にクラッチを切ってクランクを浮上させたり、ラインテンションをかけながら浮かすとウォブリングするものもあるので、浮きながらもしっかりアピールしてくれます!
スピニングではそのレスポンスが落ちやすいので、ベイトならではの釣り方とも言えますね。
クランク、トップ、ボトム、ミノー、やや重た目のスプーンなどもベイトで楽しみやすいのでぜひ試してみてください!!
《オススメライン》
「PEライン編」
私の場合エリアベイトは、トップウォーターとクランクベイトの釣りで多用するのですが、ラインスラッグを適度に出せる硬すぎないロッドに対して、伸びの少ないPEラインを組み合わせる事が多いです。
リールに巻くPEラインは、スピニングより若干太い0.4号〜0.6号あたりがオススメです。
細すぎるとラインがスプールの隙間に入り込んだり、バックラッシュした時にほどきづらいといったことが出てきてしまうので、基本は0.4〜0.5号、大物狙いなら0.6号まで視野に入れても良いと思います。エリアベイトでのPEラインは、コシがあり表面がややザラザラとした4本編みベースのものが扱いやすいです。私はこの辺りを好んで使っています。
‣左からD-Braid → シグロンpe×4 → PEエギULT0.4号
https://fishing.sunline.co.jp/line/5399/
https://fishing.sunline.co.jp/line/186/
https://fishing.sunline.co.jp/line/283/
ラインの表面がツルツルしているよりも多少ザラつきがあったほうが、キャストフィーリングとしては掴みやすいです。
また、ある程度コシがあった方がスムーズにルアーを送り出してくれ、ライントラブルも少なく感じます。
スプールに巻く量ですが、決して一杯になるまで入れる必要は有りません。60mくらい巻いていればかなり安心な位です。
下巻きが必要な場合は、メインラインと同じかやや細めの使い古しPEを活用するのがおすすめ。結びコブをコンパクトにできるので、スプール内でのライン同士の引っ掛かりを気にする必要がなく(シールも不要)、下巻きラインのウエイト自体も軽くできます。
「リーダー編」
https://fishing.sunline.co.jp/line/23841/
トルネードVハードは「プラズマ技術」を採用していることもありとにかくタフでしなやかで、とても頼れる存在です。
私が普段使用する時は、0.8号〜1.25号をセットしていますのでぜひ参考にしてみてください!
また、ナイロンやフロロといったモノフィラ系単体もエリアベイトには相性が良く、ベイトならではのダイレクトな操作感が味方してくれるので様々なメソッドで活躍してくれます。
「道糸編」
https://fishing.sunline.co.jp/line/326/
ナイロンなら3〜4lb、フロロなら2〜3lb辺りが扱いやすいかと思います。
PEラインに比べるとバックラッシュ再生後のダメージが気になるので、細かなラインチェックは前提となりますが、扱いやすさとトラブルの少なさを両立した太さなのでオススメです!
《ノットはどうする?》
メインラインとリーダーの接続は、FGノットがオススメです。
ガイド抜けが良く実釣時のトラブルが少ないので、釣行前はスピニング/ベイト問わずこのノットにしています。
このノットにどうしても慣れない方は、電車結びやトリプルサージェンスノットでもOK!
電車結びなら、PEで作るコブは8回(コブがかさばらないので、すっぽ抜け防止のため多めに)、一方リーダーで作るコブは3〜4回(結びコブを小さくするため最小限)がオススメです。
《リールのブレーキセッティングのコツ》
ブレーキ設定については、メカニカルブレーキともう一つのブレーキ(マグネットブレーキや遠心力ブレーキ)の2種類に対して行う場合が多いです。
なのでまずはメカニカルブレーキから見ていきましょう!
ダイヤルを回しながら、スプールを指で左右に動かした時「カタカタ」と音がし始めるところまで調整します。
メカニカルブレーキは基本、ルアーの種類(重さや空気抵抗)が変わる時も、風向きが変わる時も、殆どいじる事は有りません。
その一方でマグネット/遠心力ブレーキは、それらの変化に応じて現場で調整していきますが、最初は強めに設定しておいて投げて問題なければ少しずつ弱くしていけばOKです。
《キャスティングのコツ》
シュパッ!と振り抜く理想的キャスト!…になるはずなのですがタックルによっては、その投げ方のイメージが先行しすぎてうまく投げられなくなってしまっている方もいらっしゃいます。
エリアで使うベイトロッドはやや胴調子でしなりの効くものが多く、手首のみを使ったクイックなモーションや、勢いよく振り抜きすぎることは、キャストミスへと繋がってしまいやすい傾向に有ります。
というのも、キャストする時はロッドへルアーの重みをじっくり溜め込む必要があるのですが、その力が途中で空回りするように抜けてしまうのです。
ロッドには重みを溜めていきやすい箇所が存在するので、そこに対して徐々にウエイトを乗せていく事を意識し、リリース時は優しくポイントへ送り込んであげます。
ロッドへウエイトを乗せる感覚が掴めれば、どんな釣り・どんなタックルにも対応できるようになるはずです。
《バックラッシュの直し方》
ベイトタックルを使うにあたり、多くの方が気にしているであろう”バックラッシュ”という存在。
実は最近のリールはかなり進化しているので、ほぼノンストレスで釣りを楽しむ事ができます。
とはいえ、投げ方の基本とバックラッシュの直し方を知っていないとラインがいくつあっても足りません。
バックラッシュした時はまず、スプールに親指を当てた状態でハンドルをグリグリと何回か回してください。そして、クラッチを切ってゆっくりと引き出していきます。
これだけで軽度なバックラッシュは直ります。
これで直らない場合は、この動作を何回か繰り返す事で徐々にほどけてくると思います。
勢い良く引っ張るのはスプール内でコブができてしまいやすくなるので、焦らずゆっくり直していけば元に戻りますので大丈夫です。
《エリアベイトでの必需品 〜パワーアップラインコート スピードドライ〜》
https://fishing.sunline.co.jp/goods/22275/
釣行前のラインに予めラインコートを吹き付けることで、しっとりとしたフィーリングを持たせることができます。
また、スプール内での余計なラインの浮きを抑えてくれるようになり、スプールからラインが送り出される感覚がより掴みやすくなります。テスト段階からその効果に気づき、今でも欠かさず吹き付けているアイテムなのでぜひ実感してみて下さい!
《エリアベイトぜひお試しあれ!》
この釣りでベイトの釣りを習得しておけば、他のジャンルで貴重な一匹を狙う時も、冷静に対処できるようになります。
リールやラインは他の釣りにもそのまま使える事が多いので、ぜひ気軽にお近くのエリアでエリアベイトを楽しんでみてはいかがでしょうか。
釣り場でお会いした時はいつでもレクチャー致しますので気軽にお声掛けくださいね!