解説編

爆釣編

【城本　尚史（しろもと　ひさし】

サンラインフィールドテスター。和歌山県田辺市出身。

名立たる磯の名手達から強く感銘を受け１８歳から本格的に「ふかせ釣り」にのめり込む。

シロモッチの愛称で楽しい釣りをモットーに広くふかせ釣りを発信し多くの磯釣り師に注目される。

釣武者のフィールドテスターとしても独特の視点からユニークな商品を多数開発している。

磯から大型フィッシュイーターをエサ釣りで狙う迫力満点の釣り。それが「スーパーフカセゲーム」。

各地の数ある釣りカテゴリーの中でも最注目のおすすめの釣り方です。

夏から秋の高水温時に最盛期を迎え、青物・ハタ系・タマン・フエダイなど磯を代表するスーパーパワーのモンスターがターゲット。

全誘導フカセのウキ釣りであるこの釣りは、発祥の地である沖縄では「スルスルスルルー」という呼び名でたくさんの釣り人が楽しんでいる。

「スルスル」と軽い仕掛けで撒きエサ・サシエサの「スルルー（キビナゴ）」を潮の流れに馴染ませていくスタイルがその名の由来である。

キビナゴに飛びついてくる大型フィッシュイーター達は、とにかくパワフルで強烈な引きを味わわせてくれる。

初速のあるアタリでウキが水面下に消し込むと、8号や10号といった太いラインが瞬時に引き出されて行く。

力負けしないようにフルパワーでアワセを入れた瞬間から、パワー対パワーの勝負がスタート。

全身に力を込めたやり取りを目いっぱい堪能することができるのが「スーパーフカセゲーム」の醍醐味だ。

大物とのファイトで引きずり込まれたり、伸されたりしないよう腰を落とせる安全な足場の確保をお忘れなく！

ではスーパーモンスターとのパワー勝負において、道糸に求められる性能とはなにか？

まず相応の太さの道糸であることから、リールへの馴染みの良さは欠かせない。

剛性だけに特化すれば直線強力や耐久性を上げることはできるが、バックラッシュが生じ易く、何といっても巻きグセが取れない硬い糸になってしまう。

反対に柔らか過ぎると糸の放出や捌きが悪くなり、また潮や風の影響も受け易くトータル的な操作性が悪くなるという「弊害」が発生する。

圧倒的なモンスターフィッシュのパワーを凌駕する強靭さを秘めつつも操作性を犠牲にしない、それらをクリアした道糸の開発・・・。

それが「磯SP フカセMonster」へ求めた課題であった。

テストを繰り返し「強さ」に加え「弊害」を排除するべく柔と剛の均衡をとるため幾度となく改良を重ねることで理想に近づけることに成功した。

「柔」と「剛」を併せ持ち、さらに磯での使用時に欠かせない瀬ズレに対する耐磨耗性能においても最高の品質を求めたい。

その為に採用した素材は世界屈指のクオリティーを備え、確かな実績を誇る「USCナイロン」。

特許技術でミクロシリコーンを融合させ、ナイロンの弱点である吸水性を抑制、最高クラスの超耐摩耗性を実現している。

USCナイロンは耐摩耗性に優れるのはもちろん、しなやかな表面でスベリ性に置いても非常に優れている。

スベリが良いとスイベルとの結節部ではしっかり締め込むことができ、キャスト時には抜群の飛距離を叩き出すことができる。

フカセモンスターには太号柄の扱いにくさを低減させる技術を余すことなく投入している。

視認性においては急激なアタリから小さなアタリまで全てを瞬時に把握できることを重点的に研究。

上潮が走るとウキ先行になる時があり、アタリが手元に伝わるまでのタイムラグが発生する。

そうなるとどうしても合わせが遅れやすい。勝負開始の立会いで出遅れるとモンスターに先手を取られることとなる。

結果、根に入られたり瀬ズレを引き起こすことに繋がってしまう。

「最善の配色パターンはどれなのか・・・？」。試行錯誤を重ね完成に漕ぎ着けた。

視認性に優れた鮮やかなイエローグリーン50ｃｍと私好みの美しいブルー50ｃｍ交互の配色がはっきりと釣り人へ動きを伝達する。

単色糸だと見えないアタリの初動や小さなアタリもこのマーキングを見ることで立ち遅れることなく合わせへ移行できる。

また、ヒラマサ狙いのカゴ釣りなどでもそれが原因で先手を取られることがあるが、対スピード系モンスターにも十分に応用が可能だ。